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2020'12.24 (Thu)

はじめに

ご存知のかたはこんにちは。初めてのかたははじめまして。
ここは寓話のSS保管庫です。

キャラスレのあちこちに投下したSSをきちんと整理して、
そのときに書けなかったこと、現在になって書けることを付箋につけて、
しまいこんで置いておくことにしました。

並んでいるSSは投下順になっています。
数の偏りはありますが、ご自由にお手に取ってお読みください。
ひとつでもピーン!とくるものがありましたら幸いです。
こちらとしては、いい面構えでニコニコしている所存です。  * 2009.3.14 *

(・全ての記事【All archives】 ・SSのみ抜粋【アイマスSS一覧】

★ 2011年5月付アイマスSS紹介 → 【リンク一覧まとめ記事】
★ 2011年上半期・ニコマス20選 → 【集計ポータル】
★ アイマスSS企画「青春m@ster2」 → 【「青春m@ster2」を振り返る】(総括&まとめ記事)
★ 2012年6月付アイマスSS紹介 → 【リンク一覧まとめ記事】
☆ 2013年7月付アイマスSS紹介 → 【リンク一覧まとめ記事】
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2016'12.06 (Tue)

【メアリー・スーがいない頃】全作品レビュー記事リンク一覧&企画総括【SS紹介まとめ】

 全作品紹介、ならびに個人レビューは以上です。如何でしたでしょうか。
 今回は紹介記事のリンク一覧と、企画について少し振り返る記事です。

<「メアリー・スーがいない頃」紹介記事リンク一覧(全46+5本)>

・グループA枠(01~10)
http://allegoryfactory.blog34.fc2.com/blog-entry-273.html

・グループB枠(11~20)
http://allegoryfactory.blog34.fc2.com/blog-entry-274.html

・グループC枠(21~30)
http://allegoryfactory.blog34.fc2.com/blog-entry-275.html

・グループD枠(31~40)
http://allegoryfactory.blog34.fc2.com/blog-entry-276.html

・グループE枠(41~45+サンプル作品)
http://allegoryfactory.blog34.fc2.com/blog-entry-277.html

(各記事ごとに番外編と称してSSを一本ずつピックアップしています。※全五作)


*****


●SS企画「メアリー・スーがいない頃」を振り返る&自作について少し

 企画を振り返る前にまず、全作品公開後に更新された、主催のコメントをご一読ください。
 あかつきさんがどういう経緯で企画を立ち上げたのか、良くわかって頂けるかと思います。 

>公式サイト「ABOUT」 
>■企画経緯について
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/about

 このコメントを踏まえた上で、自分なりに「メアリー・スーがいない頃」を振り返ってみたいと思います。



●アイドルの過去話を書くということ&プロデューサーが現れない話のこと

 アイマスはアイドルとプロデューサーとの二人三脚が醍醐味のゲームなので
 プロデューサーがいない話は難しそうだなあ、というのが第一印象でした。

 プロデューサーや事務所が全く出てこない話を書くと、どうもアイマスっぽくならない……というか
 書いていて何の二次創作なのか良くわからなくなってしまうことも、しばしばです。
 (これはもちろん私の筆力不足な点もありますし、
  プロデューサーや社長や事務員といったアイドルを取り巻く人々が好きなので
  彼や彼女がいないとアイマス的になんだか寂しく感じる、という点もあります) 

 シンデレラガールズは、最初からアイドルになりたかった子、アイドルに一切興味のなかった子、
 リアルの何かが不足していた子、違う仕事に就いていた子、最年少だった亜美真美よりも年下の子、
 別にアイドルにならなくてもリア充だった子などなど、実にいろんな子が揃っていました。

 全員が高木社長に事前スカウトされており、
 プロデューサーと出逢ったあとも過去を振り返るコミュが豊富な765組と違って、
 アイドルによっては過去がまったく見えてこないシンデレラガールズも、少なからずいました。
 「メアリー・スーがいない頃」に寄稿するにあたり、何本か(六~七名)SSを試作したのですが、
 このアイドルの過去を書くのは難しいな……と感じてしまう子もいました。

 上限4000字をフルで使っても、シンデレラガールズの話に見えなかったり、
 最初のコミュに繋がるような話にならなかったり、
 女の子がただ生活しているだけの話になってしまったり。
 そのあたりは参加した人も実感したのではないかと思うのですが、
 「プロデューサー」がいない話を書くのは、本当にむずかしいです。

 プロデューサーと逢う前に、プロデューサーの存在を予感させるような話を書く。
 これが一つの解答例なのかなと、提出前の時点で考えていました。
 


●シンデレラが終わりの来ないゲームであること

 今回の企画とは別に、個人的に考えていたことです。
 デレステが始動し、実に様々な子のデビューコミュが見られるようになりました。
 「この子はプロデューサーとこんな出逢いをするのか」「モバマスのテキストで触れていたのはこれか」と
 いろいろ思った人も多いのではないでしょうか。

 ですが、
 ・始まりのコミュはあっても、終わりを迎えるコミュは無い
 ・初代アイマスのような最後のお別れコンサートは無い

 これが良いか悪いかはさておき、現状のモバマスとデレステに、引退コミュや終結コミュはありません。
(パラレルワールドも含めて考えれば、アニメシンデレラガールズ最終回における
 シンデレラプロジェクトを一区切りさせて、プロデューサーとアイドルがそれぞれ新たな道に進むルート
 ……くらいでしょうか)

 「シンデレラガールズのエンドコミュが見てみたい」
 「低ランクエンドと高ランクエンドの未来はどのくらい差がつくのか」
 「アイドルを引退して、どういう未来を迎えるのか」
 
 などなど、企画とはちょっと離れたところで考えていました。


 ここまで挙げて、もしかしたら気づかれた方もいるかもしれませんが、
 私の投稿作品の裏テーマがこれでした。


 「メアリー・スーがいない頃」の副題は、「プロデューサーがいなかったときの、おはなし」です。
 この副題を、文字通りの意味で解釈した過去話=アイドルのIFルートが、私の中であの形でした。

・アイドルがプロデューサーと出逢う前の話 と、
・プロデューサーが「いなかった」ときのアイドルの話 と、
・その後のアイドルと、これからプロデューサーに巡り逢うはずのアイドルが、
 「プロデューサーと出逢う前」に邂逅する話


 遠まわしに言えば、これらの要素を詰めた作品です。


 自作を読んで、これまでのいろいろな島村さんを思い出してくれた人もいたし、
 島村さんのトレーナーさんを含めた、二世代の話だと捉えてくれた人もいたし、
 メタ的な意味でも捉えて、いくつもの世界線を一つに繋げてくれた人もいたし、
 遠い昔言われていた、小鳥さんと春香の繋がりを思い出してくれた人もいました。

 私の中で「これです! これ以外はハズレです!」というものは用意していません。
 自分自身、敢えて幾つかの解釈ができるように書いたつもりです。
 頂いたどの感想も解釈も、全てありがたく受け取っています。ありがとうございます。

 読んだ人それぞれが何かしら感じるものがある。そういう作品であって欲しいと思いますし、
 島村さんとプロデューサーが二人三脚で歩いてきた、五年分のさまざまな道程を
 ほんの少しでもいいから思い起こせる作品であれば良いなと思っています。

 「四月の花火(島村卯月)」
 http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/16



●企画から振り返る「プロデューサーの不在」について

 「メアリー・スーがいない頃」という企画から、何かしら導きだせる部分があるとしたら、

・プロデューサーと出逢う前のシンデレラガールズは、「パズルのピースが欠けた状態」であること
・プロデューサーが「最後のピース」であること
・最後のピースがはまれば、この子は何かが変わるかもしれないな、という「先の予感」があること

 この三つではないでしょうか。

 実際にそういう要素を含んだ作品が多くを占めていましたし、
 全ての投稿作品を要約しようとすれば、これに近くなるのではないかと思います。

 

 主催であるあかつきさんの言葉を引用すれば、

>それはおそらく、「いつかプロデューサーに出会う彼女達」という、「プロデューサーがいなくては成り立たない」という自分のアイマス解釈にほど近いテーマになるのではないかという期待がありました

 こうなります。

 「プロデューサーが出てこない話を書くことで、アイドルとプロデューサーの繋がりが見えてくる」
 そういう話が今回たくさんありました。
 普段アイドルとプロデューサーの話を書いている人にとっては、新鮮なテーマだったのではないでしょうか。
 私自身、こういうテーマを振られなければまず書かない作品だったなという自覚があります。

 メアリー・スーがいない頃。読むのも書くのも考えるのも、全て楽しい企画でした。
 主催してくださったあかつきさんに、この場を借りて改めてお礼を申し上げます。
 企画の主催からサイト運営に至るまで、本当におつかれさまでした。
 そしてSS投稿参加した皆さん全員に。楽しい作品をありがとうございました。
 これらのお礼の言葉をもって、振り返り記事を〆させてください。

 ここまで目を通してくださってありがとうございました。
 皆さんのモバマスライフ・デレステライフが楽しいものでありますように。

 2016.12 寓話
21:02  |  メアリー・スーがいない頃  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2016'12.05 (Mon)

【SS紹介】「メアリー・スーがいない頃 グループE枠(41~45+サンプル作品)」【第五回】

41:×××「いつか、ダイヤモンドのように」/(作者名なし)
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/42

○一緒に歩く×××の話

 高槻長介(やよい弟)のクラスメイト女子視点で始まるので、冒頭でけっこう面食らいました。
 なんだこれは? やよいのSSか? シンデレラガールズはどこにいるんだ??
 そう思わせた時点で、周回したときの「あーなるほどね!」という面白さが跳ね上がる作品です。

 「いつもは教室の中でも大人しい女の子が、
  クラスメイトの男子にちょっと勇気をもらって一歩踏み出す話」と書くと
 やっぱりこの子の話だなあと思えます。

 正直キュート枠にいても全く違和感のないクール枠アイドルなのですが、
 そのクール属性の象徴がタイトルに入っているのも
 (偶然にせよ狙ったにせよ)個人的に好きです。

 最初から彼女の名前が表示されていたら、作品の印象もまた違ったのではないでしょうか。
 一周目はとりあえず何も考えずに読んでもらいたい作品です。
 最後に出てくる桃華ちゃんが、おませさんでかわいいのもポイント高いです。



42:安部菜々「夢と空白」/作者 あいうえおさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/43

○安部菜々がごまかす話

 ウサミンの話で、いきなりこういう感想から切り出すのもどうかと思いますが、
 リボンちゃん先輩のエピソードがドラマチックで「いいなあ」と思いました。
 同じ夢を追いかけていた先輩が、夢を手離す瞬間を見届ける展開は
 ウサミンでなくともぐっとくる。
 見ようによっては彼女は、ウサミンの未来の姿だったかも知れないわけです。
 
 リボンちゃんの引退を目の当たりにして
 精神的にも年齢的にもいよいよ追い詰められたウサミンが
 さあもう後がないぞどうなる!というところで
 最後の最後に転機を迎えるシナリオが本当に美しい。

 完璧な助走を見せられたあと、頭上をふわっと飛び越えられたような
 気持ちいい余韻が残ります。

 ウサミンは永遠がつくくらいの回数だけ17才を繰り返しているので、
 何度転んでも立ち上がる、雑草魂持ちのアイドルだと個人的に思っているのですが、
 この話は正にウサミンのそういう面を掘り出していたのが良かった。
 モブが非常に良い仕事をしていて、主人公は勿論のことモブも好きになってしまう。
 そういうSSは、ストーリー丸ごと印象に残ります。



43:水木聖來、小松伊吹「茨城の一番ドープな夜」/作者 平蜘蛛さん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/44

○水木聖來VS小松伊吹の話

 聖來さんは名前のとっつきづらさで、他よりちょっぴり損しているアイドルな気がします。
 ビジュアルも良くキャラも悪くないのに、肝心の名前が一発で読めない変換できない。
 それだけの理由でなんとなく敬遠していた人も多いのではないでしょうか。

 そう感じた人と伊吹ちゃんファンは読むと良いです。
 聖來さんの意外すぎる一面が見られます。
 懐かしの軽口哲也さんが出てくるのも地味にポイント高い。
 デレステのオーディション背景で再会したときは少なからず衝撃を受けました。

 現地に詳しかろうと無かろうと、勢いとノリだけで面白いと感じられる茨城ネタにクスッとします。
 いろんな意味でアイドルのイメージを払拭されました。



44:今井加奈「"キミ" と 星をさがす」/作者 akauniさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/45

○今井加奈が涙を耐える話

 加奈ちゃん愛に溢れている作品。
 文章のひとつひとつがキラキラしています。
 一読しただけではその眩しさを全部捉えきれず、
 時間を置いて消化しました。

 アイドルになるということ、願いを抱えるということ、
 そこから先の未来に思いを馳せること。
 表現される話のスケールの広さに、読んでいて圧倒されました。

 澄んだ空気のように綺麗な文章が、とても気持ちいいです。
 広い宇宙に放り出されたような気分になります。
 読み終わって無性に、加奈ちゃんをプロデュースしたくなる作品です。 



45:松永涼「涼」/作者 あかつきさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/46

○松永涼が出て行く話

 涼さんもデレステで少しずつ過去が見えてきたアイドルの一人です。 
 ロックに限らずクラシックやジャズにも通じており、小さい頃はお嬢様。
 モバマス初対面時の、ロッキングスクールR松永涼とのキャラギャップに
 「ほほう……」と感じた人も少なくないのではないでしょうか。

 むしろここまでギャップが激しいと「お嬢さんに一体何があった」レベルです。
 過去掘り下げにあたって、親子の衝突はやっぱり不可避だろうなあ
 と実感させられてしまうのがこの話。
 実の娘と母親なのに、赤の他人に感じてしまうレベルのすれ違いが切ない。

 この涼さんがロックの世界に飛び込んで、Pと逢ってシンデレラになっていくその過程を
 母親はどんな気持ちで眺めるんだろうなあ、と思いを馳せてしまいます。



*****



※募集期間中に、公式サイトでサンプルとして掲載されていた作品です。
 主催許可を頂いたので、こちらも46番目の作品としてレビューします。

 
46:工藤忍「お母さんの美顔ローラー」/作者 あかつきさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/39

○工藤忍のレールが外れる話

 シンデレラガールズのプロローグ、あるいは最初のエピソードに繋がる物語
 という企画コンセプトに則った作品。
 私はこれを読んで、「よっしゃSS書くぞ!」という気持ちになりました。

 これから旅に出る忍ちゃんに、「さあ行こう!」と企画まで連れていかれた
 ――と言っても、あながち間違いではありません。
 そういう意味では、ものすごく求心力のあるサンプル作品だったなあと思います。

 忍ちゃんはアイドルになるまでの経緯がほんとうにドラマチックで、
 親にアイドル反対されたり、故郷でのライブを心底喜んだり、新しい家族写真を撮りたがったり、
 いろいろあっただろう地元にプロデューサーを呼べて嬉しがったりと、
 念願かなってアイドルになれた今でも
 「遠く離れた故郷と家族のことが大好き」なところが魅力のひとつだと思います。

 覚悟を決めて旅に出た彼女が、レールを外れたその先で
 プロデューサーに出逢えるといいなと思わずにいられない作品です。



*****



<番外編>

05:柊志乃「失格アイドル【メアリー・スーがいない頃】」/作者 ソーティさん
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7206884

○柊志乃が最初のプロデューサーと別れる話

 31才の志乃さんは最年長なので、アイドルデビュー前の過去話を考えるとき
 他の子よりも圧倒的に長いプロローグゾーンを構成することができます。
 9才の薫ちゃんと比べても、人生の歴史が長いのでいろんな経験をさせられるわけです。
 この作品はその部分をうまく使っている話。

 志乃さんは本当のプロデューサーに巡り逢えませんでしたが、
 この先の志乃さんと彼女の性格を考えると、こういう過去が一つあってもいいな、
 むしろあるかもしれないな。なんて思ってしまいます。



 ※明日(12/6)の更新は、全作品レビューのリンク一覧と、企画を振り返る総まとめの記事になります。
  最後までお付き合いいただけたら幸いです。
21:19  |  メアリー・スーがいない頃  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2016'12.04 (Sun)

【SS紹介】「メアリー・スーがいない頃 グループD枠(31~40)」【第四回】

31:新田美波「Just a dreaming girl.」/作者 アルモンさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/31

○新田美波が出逢いを待つ話

 春を待つ新田さんの話。
 高校生の時点では進路に迷っていなかった、でも大学生活で迷ってしまった
 というのが大きなポイントなのかなと思います。

 少なくとも大学生活は彼女の要求を十分に満たすものではなかった。
 じゃあ一体なにが足りないのだろう、という灰色の疑問を抱えた瞬間から、
 お城に続く見えないレールが敷かれていたのかもしれません。

 声の似ているクラスメイトの綾さんにフフッとなりました。



32:速水奏「灰色の世界からの転換期」/作者 Zhelikaさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/32

○速水奏の本当の話

 終盤の展開が鮮やかの一言に尽きます。
 奏ちゃんとプロデューサーの出逢いコミュに、こういう形で繋げるとは!と
 アプローチの上手さに唸ってしまいました。

 飄々として捉えどころのない奏ちゃんの性格をしっかり掘り下げつつ、
 彼女なりの悩みを語らせ、海岸のコミュへと話を持っていく、その時の心理描写がすごくいい。
 「この奏ちゃんなら、確かにあの出逢いコミュの態度も納得だわ!」
 と思えるほどの説得力がありました。上手い上手すぎる。
 
 個人的に奏ちゃんに対しては、年の割に大人び過ぎている一面もあり
 正直高校生らしくない……というか、一言では性格を捉えられない子だなあと、
 これを読むまでキャラクタを掴みかねていたのですが、

>速水奏はこういうひねくれた内面を隠すのは得意なんだから。

 この一文がストンと胸に落ちてきました。目の覚める思いがしました。
 そういう意味で、私の中の速水奏観を変えられた作品でもあります。



33:堀裕子「笑顔という名のテレパシー」/作者 鴨虫さん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/33

○堀裕子が目指す話

 両親との関係含め、小学生時代のユッコにちょっと泣いてしまいました。
 ここまで追い詰められるものなのか……とも思ったし、
 これが彼女の原動力なら確かに頑張れるはずだ。とも思いました。

>となりのクラスのみんなからは、ほりはうそつきだ、って言われてしまった。わたしといっしょに行った、クラスの子も。

 ここが強烈に刺さりました。シンプルだけど威力がある。子供社会の恐ろしさよ。
 うそつき呼ばわりされて全部を取り上げられそうになっても、
 ユッコだけは自分のパワーを信じている、という図がすごくいい。

 そこから「アイドル、いいなあ」へと繋がるのも、
 年相応の小学生らしい自然さがあって話にスッと入り込めました。
 だからこそ最後の一歩がとても嬉しくなるし、この先の展開にニコニコします。

 今回エスパーユッコの作品は二作あったのですが、
 どちらを読んでも無性に彼女を応援したくなってしまうと言いますか、
 「あーこの子いいなあ! 一からプロデュースしたくなるわ!」と感じられるユッコ愛に溢れていました。



34:ヘレン「メアリー・スーはここにいる」/作者 ニチカさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/34

○ヘレンが勝ち続ける話

 どれだけ突拍子もない過去話だろうと、
 「この人ならありかな、何と言っても世界レベルだしな……」と思える
 謎の説得力がある人。それがヘレンさんだと思います。

 世界レベルは広大であってほしい。二次創作なら尚更です。
 ヘレンさんのスケールはちょっとやそっとじゃ測れないんだよ!と言わんばかりの
 トンデモ展開であればあるほどヘレンさんの凄さがわかるというものです。

 こういうの書いても許されるからヘレンさんはずるい。好きです。



35:有浦柑奈「愛ってどういうものかしら」/作者 出羽Pさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/35

○有浦柑奈が探している話

 長崎出身でラブ&ピースな19才、有浦柑奈ちゃんの話。
 地方出身の子が方言全開なSSというだけでもかなりグッとくるのですが、
 それ以上に作品から迸るエネルギーにやられました。
 こういうアイドルの話を読んで、主人公にグラッとこないほうが難しい。

 柑奈ちゃんを構成する要素のほとんどを網羅しつつ、余計なものがなく、
 アイドルを目指す彼女が、初めの一歩を踏み出すエピソードゼロとして
 これほど純粋で綺麗なものはないんじゃないかと。

 なにより作品全体からラブを感じられるのが良かった。
 「これは間違いなく有浦柑奈の物語だ」と納得させられる強さと
 この先に繋がる希望が込められていました。



36:北川真尋「move on!!」/作者 ひろせさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/36

○北川真尋が走っていく話

 今回一番「おっ!?」て思ったアイドルです。マヒロー難しいんですよね……。
 Pとの出逢いがダッシュ中に曲がり角でバッタリ、というのが却って二次創作での難易度を上げている。
 少女マンガの伝統芸能に近いこのシチュエーションを、どうアレンジするかが腕を問われるところです。

 パッション属性には茜ちゃんや光ちゃんを筆頭に、
 日頃からやたらと熱血全力ダッシュしているアイドルも大勢います。
 そんなダッシュ激戦区において、ダッシュガール真尋の個性をどうやって出すかというのが
 ひとつのキーワードなんじゃないかと思います。

 今回は出身地と転校ネタから、彼女の世界を広げてきたのが上手かった。
 各地を転々とする中で、真尋ちゃんの根本的な性格が固まっていくのと同時に、
 これだけ転々としたその先で、プロデューサーと出逢う意味が増しているのもいい。
 偶然という一言で表せない何かを感じました。

 この真尋ちゃんなら
 「プロデューサーと出逢うために日本各地を駆け抜けてきた」と評しても、
 あながち間違いではないかもしれません。
 むしろそうであって欲しい。なんて思いました。



37:島村卯月「春の日、残像」/作者 霜月薫さん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/37

○島村卯月がめぐる話

 島村さんの話は私自身も書いたので、色々と思うところもあるのですが、
 彼女の過去エピソードとしては切っても切り離せない、養成所時代にスポットを当てた作品です。

 辞めていったレッスン生のことを考えながら想いを記した手紙を
 「遺書」だと称する島村さんに、かなりドキッとしました。

 これは養成所で人の移ろいを見てきた彼女にしか言えない単語だと思うし、
 夢を諦めることそのものを、島村さん自身がどういう風に捉えているのか
 これ以上ないほど適確に示した言葉だと思います。
 キャラの裏側まで一気に貫くような単語が、そっと静かに含まれているところが好きです。

 プロデューサーに出逢う前に、島村さんのこういう一面があるんだと考えると、
 そこから先のアイドル活動が、ぐんと深みを帯びてきます。



38:北条加蓮「誰か、この声を聴いてよ。」/作者 カジキさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/38

○北条加蓮が叫びたい話

 病院生活を送っていた頃の加蓮の話。
 自分の終わりを意識する彼女の思考があまりに重たくて、光が欲しくなります。
 正にタイトルそのもの。

 やりたいことは幾らでもあるのに、何一つ叶わない無力感と絶望感に溢れていて、
 ただひたすらに深い深いところへ落ちて行く話なのですが、
 この先の彼女を知っていると、このときの絶望こそが加蓮自身のパワーなのだなと
 納得させられるだけの重みがあります。

 これだけの重みを背負ってきた女の子が、アイドルになったとき輝かないはずがない。
 プロデューサー目線で見るなら、頼もしいことこの上ないです。
 白く冷たいだけの空間を抜け出した彼女が、プロデューサーと遭遇する未来を想像するだけで
 自然とワクワクしてしまいます。



39:安部菜々「魔法使いと天翔けるうさぎ」/作者 柳葉たつきさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/40

○安部菜々が邁進する話

 永遠の17才ウサミンが、17才だったときの話。
 水野翠のSS(作品番号25)と同じテーマですが、
 進路志望で悩む話はやっぱりドラマチックで良いですね……。眩しい青春のひとコマ……。

 とりわけウサミンは色々と複雑なルートを辿った末に
 アイドルになったシンデレラガールズなので、過去エピソードの掘り下げ甲斐があります。

 リアル学生時代のウサミンの話なのですが、
 「クラスメイトの前で夢を語れない」というのがなんとも言えず胸を打ちます。
 アイドルに対する夢や憧れはあるけれど、ウサミン自身もクラスメイトも現実を良くわかっていて、
 だからこそ自分から夢を語らなくなってしまう、その経緯が切ない。

 魔法使いに出逢ったことで大きく跳ねることができたウサミンと、
 そんなウサミンを見かけて、学生時代にからかっていたクラスメイトが認識を改める。
 エピソードゼロからちょっとだけ先の未来も含めて、綺麗な話だなと思いました。



40:高垣楓「ひとりきりのランウェイ」/作者 ヤマダ=チャンさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/41

○高垣楓がレールを歩く話

>きっとあれが幸せなんて呼ばれるものなんだろう。掴もうとおもって手に入るものじゃない

 この一文で、心を鷲掴みにされました。
 25才らしい悩みを抱えた、等身大の高垣楓さんだ、と思いました。

 作中で何度か出てくる、ビーズの使い方が非常に印象的な話で、
 最後までキラキラした希望に溢れていました。
 楓さんの目線に静かに寄り添う文章や、比喩表現がとても優しかった。
 楓さんらしいな、と何度も思いました。

 あとはやっぱりカワイイ幸子の使い方の上手さでしょうか。
 いいところで現れていいところを持っていく、これもまた幸子テイストに溢れていて
 読みながら思わず嬉しくなります。
 
 グループ毎のラスト作品はどれもこれも印象に残っているのですけれど、
 Dグループは特に余韻の心地よい作品でした。



*****


<番外編>

04:如月千早「アイスシンガー」/作者 uleaさん
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=567258

○如月千早と高木順一朗が邂逅する話

 765枠二本目。765組は全員が高木社長のスカウト組で、そのあとにPと出会うことと
 スタートに至るまでの背景がコミュでも沢山語られるせいか、
 エピソードゼロの二次創作も豊富な印象です。

 とにかく社長が渋くて格好いい。年季の入った台詞のひとつひとつに痺れます。
 Pとアイドルのコミュとは一味違った、スカウトならではの会話が良いです。
 2ページ目と3ページ目の構成が個人的に大好きで、何度も読み返したくなってしまいます。
21:04  |  メアリー・スーがいない頃  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2016'12.03 (Sat)

【SS紹介】「メアリー・スーがいない頃 グループC枠(21~30)」【第三回】

21:松尾千鶴「心、偶然、文化祭」/作者 どんがめマックスさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/21

○松尾千鶴が偶像を知る話

 不器用少女松尾さん。この手のきつめなタイプは、関ちゃん同様、化けるとかわいい。
 そして化けるヒントは全部、彼女自身の発言にあるシンデレラガールズです。

>「やったことないけど、面白そう……ハッ! 面白そうとは言ったけど、やるとは言ってないわよ!」

 これです!
 この「ツンとしてるのにうっかり本音が漏れちゃう」要素が出た瞬間、
 松尾さんの可愛さが一気に倍プッシュされるのです。
 彼女を表現するにあたっての必須の前フリと言ってもいい。
 いわゆるツンデレの一言で表現したくない、松尾さんの大きな大きな魅力だと思います。

 松尾さんのアイドルトーク相手をさらっと絡めてくるあたりもにくい。
 しゅがはさん好きも読むと良いと思います。



22:工藤忍「龍神さまのいるところ」/作者 しゅんたPさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/22

○工藤忍を見守る話

 忍ちゃんの魅力を感じるエピソードに
 「青森からアイドルになるため家出同然で飛び出してきた」
 「自ら退路を断つ勢いで上京してきた」というのがありますが、
 二次創作の場合、その退路の断ち方が千差万別なのが本当におもしろい。
 北条加蓮の入院時代と同じくらい、膨らませ甲斐のあるエピソードではないでしょうか。

 この忍ちゃんを囲む世界が、とても優しいです。
 彼女が挑戦しようとしていることは、過酷で孤独で途方もないことなのだけれど、
 周囲が優しいのでどこか救われる。読んでいて心が温まります。

 こういう世界で生活していたからこそ、忍ちゃんはまっすぐで優しい子に育ったのだろうなと
 過去と現在のつながりを、容易に想像させられる作品でもあります。
 近い未来で彼女を見守る相手は、龍神さまから別の人に代わるのかもしれません。
 そこがまた嬉しくなります。



23:二宮飛鳥「ギア」/作者 茨衣駆さん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/23

○二宮飛鳥が歯車だった話

 達観した飛鳥くん。
 理想と現実をシニカルに捉えているのが非常に彼女らしい。
 そういう目線で物事を見るのは、もっと大人になってからでいいんだよと
 つい言いたくなってしまうのが二宮飛鳥というキャラな気がします。

 自分はシンデレラではない、所詮は歯車の一つに過ぎないと自称する彼女ですが
 この歯車に、いつの日か魔法をかけるプロデューサーさんが現れる……
 と考えるだけで、途端にエピソードゼロとしての重みが増してきます。

 すこし意地悪な思考かもしれませんが、始まりがどん底にあるほど、シンデレラは一層輝くものなので、
 このくらいドライな思考を垣間見られると、最初のコミュの印象が変わってくるのがいいですね。



24:荒木比奈「日陰の底から」/作者 冥加Pさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/24

○荒木比奈は落っこちた話

 荒木さん二本目。日陰者だった彼女も、
 「アイドルになってそれまでの人生が明確に一転する」シンデレラガールズの一人なので、
 過去と現在の落差が、とても面白いアイドルでもあります。
 
 今回荒木さんの話どっちもいいなあ、と個人的に感じているのですが
 やっぱり魔法がかかったあとの落差が大きなアイドルは、過去話を読むのがとても楽しい。
 プロデューサーの手腕が、わかりやすく形になって現れるからでしょうか。

 荒木さんの過去として、実際にあるある過ぎるイメージが湧くのもポイント高いです。
 追い詰められている、というのは少し違うかもしれませんが、二十歳という年齢が彼女を焦らせる。
 だけどなにかきっかけがあれば変わるかもしれない。
 そう読み手に思わせた上での最後の一歩に、希望を感じられるのがとても良いです。



25:水野翠「求道」/作者 井手正太郎Pさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/25

○水野翠が道に迷う話

 弓道少女水野さん。たしなむ武芸に迷いが出てしまう子です。
 言葉に出さなくても、弓の方に感情が乗ってしまう。
 逆に言えば嘘がつけない、非常にストレートな子なのではないかと思います。

 今回は水野さんの進路選択が話の軸になっているのですが、

>あの忌々しい、私を散々引っ掻き回した書類の

 この感情がすごくいい。
 なによりこれこそが、彼女の過去エピソードに深みを与えています。
 「進路志望調査票」ほど、デビュー以前の十代アイドルを
 運命の天秤にかける重要アイテムは無いと思うのです。

 他の問題はさておき、まず自分がどうしたいのか答えを出さなくてはいけない。
 そしてその答えが出ない子ほどジレンマに陥るのではないかと思います。
 本作の水野さんのように。

 日頃から平常心を保つのが得意で、まっすぐな弓を射る水野さんだからこそ、
 こういう過去があって欲しかったと思うし、彼女の迷いを払えるプロデューサーと巡り逢って欲しい。
 読んだあとそんな気持ちになりました。



26:堀裕子「(E)SPecial」/作者 九城さん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/26

○堀裕子が手段を得る話

 エスパー少女ユッコ。初めて登場したときはネタキャラかと思っていましたが、

>エスパーはトクベツ。裕子だけのトクベツだ。誰にも譲らない。

 もうこの一文で刺さるものがあります。平々凡々の彼女が唯一持った特殊能力。
 サイキック以外のことは全部並の子になってしまう。
 でも肝心のサイキックは気まぐれにしか出てこない。
 田舎だからかちっともお声ががかからない。こんなすごいパワーがあるのに有名にもなれない。
 だったら上京しよう、アイドルになって有名になろう!

 というビリヤード形式の思考が読んでて気持ちいいです。めっちゃユッコ感ある。
 行動原理の一番大事なところにサイキックがあって、
 その上でアイドル道を突き進もうとするのですごい説得力があります。

 彼女が実際やろうとしていることは、人生を賭けた大きなギャンブルなのですけれど、
 このユッコは不思議と勝負に負ける気がしない。
 むしろ本当に自分をアイドルにするプロデューサーに巡り逢ってしまうのでは……。
 と、思わせてくれる余韻がいいです。
 
  

27:白菊ほたる「いつかは必ず終わるから。」/作者 鋼菊カムラさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/27

○白菊ほたるが続ける話

 なにかと不運に巻き込まれてしまう運命の星の下に生まれたアイドル
 白菊ほたるちゃんの話。

 出逢った時点で「過去のアイドル活動でいろんなことがあり過ぎました」感のある彼女ですが、
 「じゃあどうしてアイドル辞めなかったの??」という根っこの大事なところを掘り下げると、
 なんとなく答えが浮かび上がって来そうな気がします。

 その部分さえしっかりしていれば、彼女はこの先もアイドルを辞めないし続けられるはず。
 そういう芯の理由をバシッと一本決めてくれたのが良かった。
 このほたるちゃんは多分、プロデューサーと二人三脚で頑張っていけそうな気がします。



28:高垣楓「扉のむこう」/作者 ていとさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/28

○高垣楓が気付く話

 モデル出身のビジュアルと頭一つ抜けたボーカル能力を併せ持ちながらも
 お酒と親父ギャグを愛してやまない酔いどれ25才児、楓さん。

 一見ふわっとしているけれど、芯はかなり確りしている人なので、
 彼女のギャップにハートごと振り回されたPさんも一人二人じゃないだろうと思うのですが
 その実やっぱり、裏では一人悩むこともあって欲しい。
 表に出さないだけで、年相応の二十代の悩みを抱えていて欲しい。
 なんて思っていたので、本作の「自分の魅力が良くわからない」楓さんは、
 個人的にものすごくストライクでした。
 
 もともと違う職業に就いていたけれど、アイドルになろうとするタイプのシンデレラガールズは、
 元職との折り合いをどういう風につけるかが一つのクライマックスなのかなと思います。

 あとやっぱり、この作品はタイトルが好きです。これ一つでいろんな想像を掻き立てられる。
 その先に広がる世界と、彼女を待つプロデューサーの姿が自然と浮かんでくるタイトルです。



29:宮本フレデリカ「旅行者たち」/作者 カウラカウさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/29

○宮本フレデリカの名を唱える話

 個人的にフレちゃんは難しいと感じるキャラです。一口で説明できないフリーダム性がある。
 KroneやLiPPSの同世代組と絡むことで彼女らしさを掴むことはできても、
 フレデリカ一個人としてのキャラは未だに掴み切れていない気がします。

 そういう意味では、「ああこういうキャラクタの掘り下げ方もあるのか……」と、
 ちょっと目から鱗が落ちた思いでした。

 フレちゃんというより、フレちゃんママが娘への想いをつづる話なのですけれど、
 なにか大事な願いを託すような、静かで神聖な祈りごとのような文章は、
 無意識に息をひそめて見ていたくなります。

 娘の幸せを祈る母親の話は、未来に明かりを灯すようで好きです。



30:財前時子「運命を待つ」/作者 メガホンさん
http://cinderellassplan.wixsite.com/is-not-here/30

○財前時子が不自由な話

 完全無欠の絶対勝者。はるか高みから周囲を見下す強キャラ財前時子様。
 こういう強いキャラクタが、自分の弱みを僅かにチラつかせるような過去話が、
 私はとても好きです。

 人間味があるといいますか、むしろ普段表に出さない弱みを垣間見ることで、
 一気に親近感が湧いてくるように思います。

 時子様らしからぬ一面を、これでもかと見せつけられる話なのに、
 完璧に時子様としか言いようがないエピソードゼロです。
 いちいち文章に説得力があって唸ります。

 決してパーフェクトではない過去があるからこそ、
 アイドルの世界に飛び込んで足元にPを従え、完全無欠の時子様になる意味が強くなる。
 キャラクタの助走部分の上手さというか、どれだけ屈めばより大きく飛べるのかが
 良くわかる作品でした。



*****



<番外編>

03:北条加蓮「未来視」/作者 あいうえおさん
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=1234905

○北条加蓮が終わらなかった話

 加蓮はシンデレラガールズの中でも一、二を争うくらいの壮絶な過去持ちアイドルなので、
 企画始動前から既にいろんな二次創作が生まれていました。
 なかでもこれはエピソードゼロの掘り下げが非常に秀逸な一作。

 十代で幕引きすると思っていた人生が続くことになり、何をすればよいのかわからなくなった。
 ファーストフード店でお喋りをするような、普通の女子高生をすること自体が一つの憧れだった。

 そういう等身大の北条加蓮が、如何にして転機を迎えるのか。
 エピソードゼロの少し先も含めて、一度は見届けて頂けたらと思います。 
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