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2008'12.24 (Wed)

雪歩のクリスマス(12/12)

「プロデューサー……サンタさんの格好でアンコールなんかして、本当に大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だろ。サンタを騙って悪いことしてるわけじゃないし」
「でも、今日はクリスマスイブですよ。サンタさんもお仕事してる日ですよ。
 アンコールがちっとも盛り上がらなかったら、本物のサンタさんに恥をかかせちゃうかも……」
「どこからどうみても完璧なサンタなのに止めちゃうのか? なんだか勿体ないな」
「そ、そうでしょうか?……私、そんなに完璧ですか?」
「ああ。あんまり完璧すぎて、雪歩がアンコールに怖気づくまで気付けなかったくらいだぞ。
 その格好で弱気になったり穴掘ったり凹んだりしなきゃ、観客の誰にもバレないんじゃないか?」
「本当ですか? な、なんだか私やれそうな気がしてきました。
 プロデューサー、私がんばってサンタさんになってきます!」

***

「プロデューサーの言ったとおりです。ちっともバレませんでした。サンタさんだ!って言われました。
 みんなサンタさんのことが大好きみたいです。私もいっぱい嬉しくなりました」
「サンタに会えるチャンスは24日だけだからな。どうする? もっと歌ってくるか?」
「私、もうちょっとだけサンタさんのままでステージに出たいです。
 ファンのみなさんが起きてるうちに、プレゼントを届けてきてもいいですか?」
「行っておいで。――でも絶対バレたりしないようにな」

***

「やれやれ、やっと終わった。急いで雪歩を家に送り届けないと」
「プロデューサー。お待たせしました」
「ん? 雪歩、いつまでサンタの帽子かぶってるんだ? 来たときは白い帽子だったろ?」
「ぷ、プロデューサー。私はその子じゃありませんよ。
 ダメダメで弱虫でいくじなしなアイドルの女の子は、先にお家に帰っちゃいました」
「……あれ? じゃあ俺は、雪歩と間違えてサンタを車に乗せちゃったのか?」
「そうです。厳しいお父さんがいて、お誕生日だから寄り道なんかちっとも許してくれなくて、
 だからさっきお母さんに電話して――えっと、それで帰っちゃったみたいですよ?」
「そうだったのか。サンタは何でも知ってるんだな」
「もちろんです。サンタさんは何でも知ってますよ」
「じゃあ、俺がその子にプレゼント用意してたことも、渡しそびれたことも知ってるんだな?」
「……えっ。……えっと、知ってますよ。サンタさんは何でも知ってます。
 でも、今年のクリスマスのことは、見まわってみないと何もわからないかもしれません」
「そうか。それじゃあ街を見まわってこよう。なにしろ今日はクリスマスイブだからな。
 美味しいお店も楽しいお店も、街にいけばたくさんあるような気がするぞ」

***

「今日はありがとうございました。いろんな場所につれてってもらえて楽しかったです。
 あの。あとひとつだけお願いがあるんですけど、聞いてもらえますか?」
「ん? サンタは辞めてアイドルになりたくなったか?」
「そうじゃないですけど……そうだって言ったらどうしますか?」
「うーん。俺は今担当してる女の子だけで手が一杯なんだ。
 この先もそれはずっと変わらないだろうから、プロデュースして欲しいって言われても難しいかな」
「……よかった。そういうお願いじゃないです。でもそれも守ってくれると嬉しいです」
「それ以外のことなら構わないぞ。お願いってなんだ?」
「私ひとりじゃ、自信もってファンの皆さんにプレゼントを届けるのは難しいです。
 サンタさんと一緒にお仕事をするパートナーになってくれませんか?
 そうしたら私は、ずっとあなたのソリに乗ってお仕事にいくことができます」


雪歩は小さな箱を差し出しました。キラキラ光るそれはPのネクタイを挟みました
鈴をつけられたトナカイは、隣にサンタを乗せたまま、再びソリの運転にもどりました

クリスマスイブが終わるまでは――2人はまだ一緒に仕事を続けることができました

***

クリスマスイブがやってきました
みんなのところにプレゼントが届きました

***

青い車にのった女の子が、ケーキの箱を抱いてイルミネーションを眺めていました
オレンジのトレーナーの女の子が、家族の待つパーティー会場にたどり着きました

赤いリボンの女の子が、焼きあがったホットケーキを空中でターンさせていました
ピンクのマフラーの女の子が、満足そうな様子でブティックから出てきました

黄色い髪飾りの双子が、シロクマ手袋をあわせて楽しくダンスを踊っていました
グリーンのコートの女の子が、欲しかったシステム手帳とようやく再会していました

ダークブラックのスーツの男性が、いそいそとサンタの衣装に袖を通していました
紫色のショールの女性が、澄んだ音をたてて乾杯のグラスを鳴らしていました

黒いブーツの女の子が、鏡に映っている女の子をキョトンと眺めていました
雛色のミトンの女性が、ほんの少し怒りながら誰かと電話で話していました

ライムグリーンのブランケットを被った女の子が、うたた寝からようやく目を覚ましました
白い帽子の女の子が、クリスマスの街をゆるやかに凱旋しながら帰ろうとしていました

***

クリスマスイブがやってきました
今日は白い帽子の女の子の誕生日でした

クリスマスイブにちょっとだけ幸せになったみんなも
そのことはちゃんと覚えていてくれました

クリスマスイブがやってきました
雪歩のところに11個のプレゼントが、空を飛んで届きました

***

「あ、プロデューサー。いっぱいメールがきてました。みんなからお祝いのメールです」
「だって今日は雪歩の誕生日じゃないか」
「……プロデューサー。私はやっぱりちょっとまちがってましたか?」
「何をだ?」
「サンタさんになってちょっと勇気のある女の子になれたつもりになるんじゃなくて、
 やっぱり私が勇気のある女の子にならなきゃ何も変わらないのかなって……」
「事務所のみんながお祝いしたいのは、サンタの方じゃなくて雪歩だからな。
 さっきのステージだって、ファンのみんなは、雪歩だってちゃんとわかってくれてたと思うぞ」
「ええ?……じゃあニセモノのサンタさんだってバレバレだったんですか?
 こ、こんなダメダメな私はサンタさん失格です……ダメダメサンタですぅ……」
「なんだなんだ。サンタの方がダメダメなら、アイドルに戻るしかないじゃないか」
「あれ?……やっぱりその方が向いてるんでしょうか?」
「その方が自然だろ。一年中活動もできるし、いつもサンタ帽かぶってる必要もないし、それに」
「それに?」
「さっき頼んだじゃないか。――プレゼントを渡したいのはサンタの方じゃないんだ」


Pは小さな箱を取り出しました。キラキラ光るそれは雪歩の指にぴたりと填まりました
アイドルに戻れた女の子は、とてもとても嬉しそうな顔をして、プレゼントを受け取りました

クリスマスイブが終わってしまっても――2人はずっと一緒に仕事を続けることができました





【考察】雪歩スレ29-259・260 投下日:2008/12/24

クリスマスSSの中ではラストになります。
後半パートはそれを受けて全キャラのエピローグを貰った形になっています。
オールスターになってからは少し駆け足気味な印象があるのですが、
どうにか当日中に間に合わせることができました。

1年前のクリスマスSSと、ネタも展開も同じような流れにしています。
2007年は雪歩とPと小鳥さんの3人が出演するクリスマスでしたが、
2008年は雪歩とPとオールスターが出演するクリスマスを書きたいと思いつき、
一度も書いていないアイドルを突然扱うには不安があったため、
今回のクリスマス連作を決めました。

誕生日のアイデア先行で、各キャラスレへの投下が決まった形になります。
キャラによる自分の得意不得意がわかったこともあり、いい経験になりました。
機会があればまたやってみたいと思います。
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