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2010'10.16 (Sat)

不満の理由

とある式場で、亜美が社長に言いました。

「亜美、今度のフラワーガールのお仕事、あんまり乗り気じゃないんだ」
「何故だい?」
「だって亜美が主役じゃないんだもん。亜美もゴーカでフリフリな衣装が着たいよ!」
「プロデューサーからのお願いを、聞いてあげてくれないかな」

二人の大事なプロデューサーの、晴れの結婚式じゃないかと、社長は応えます。

「フラワーガールをやってあげたら、きっと喜んでくれると思うよ」

それでも亜美は膨れていました。


***


とある式場で、真美が社長に言いました。

「真美、今度のフラワーガールのお仕事、あんまり乗り気じゃないんだ」
「何故だい?」
「だって真美が主役じゃないんだもん。真美だって花嫁さんになりたかったんだよ!」
「プロデューサーからのお願いを、聞いてあげてくれないかな」

プロデューサーは、二人のことが好きだから頼んだんだよと、社長は応えます。

「せっかく二人一緒に頼まれた仕事なのだから、放り投げるのは良くないよ」

それでも真美は膨れていました。


***


式場の下見についてきた、小鳥さんが社長に言いました。

「亜美ちゃんと、真美ちゃんは、ごきげん斜めのようですね」
「自分たちのプロデューサーを取られるのが、嫌なのかな?」
「それだけじゃないとも思いますけど……」
「下見でこの調子だと、本番は何が起きるか解らないな。用心しないと」


亜美と真美は、結婚式とは別のところに不満を抱えていました。
不満になるその理由まで、双子はお揃いでした。


***


「聞いてよ社長!」 「聞いてよピヨちゃん!」


社長と小鳥さんが、揃って不満を聞いていると、そこにプロデューサーがやってきました。

亜美と真美のプロデューサーは、まだ若いプロデューサーでした。

やってきたプロデューサーは、二人の背後からそっと近づき――










「兄ちゃんは、社長になっても、律っちゃんに頭が上がらないんだから」


「新しい事務所でラブラブっぷりを見せつけられる、亜美たちのキモチも考えてよ」


「これで正真正銘のダーリンになったら、真美たちには手に負えないかんね!」


「『お茶が入ったわよ、ダーリン』 『ありがとう律子。今日も綺麗だね』」


「亜美のモノマネだけで、真美はおなかいっぱいだよ!!」


「……どしたのピヨちゃん。一生懸命、笑いこらえちゃって」


「え? なあに兄ちゃん。真美たち、別に変わったこと言ってるつもりは――」


「……あっ!?」 「……あっ!?」










003


                                 (おしまい)





晴嵐改さんのイラストに、SSをつけてみました
23:20  |  亜美真美  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

プロデューサーは2人のことが好きだから。

そして2人は、プロデューサーの事が好きだから――。

なんか、シンプルで、いい言葉でした。

秋月律子というキャラクターは、他のキャラに比べると、
とてもマルチな才能を持ったキャラクターだと思います。
万能選手、あるいは器用貧乏。
アイドルとして、歌もダンスもそれなりに上手くこなすけれど、
決してNo.1という印象はありません。
立場としてもアイドルで、事務員で、プロデューサーで。
その多面性が、上手く仕掛けに使われた印象です。

亜美と真美の動きとセリフがとても前面に出ていたので、
深読みせぬまま上手く最後のシーンまで引っ張ってもらえました。
短かったのも、良かったかもしれません。
長かったら、「あれ、このプロデューサーって」と考える時間があったかも。
色々な要素が綺麗に組み合わさった作品だと感じました。

要素、という事で言えばイラストもとても素敵で、
3人の頬の赤があると無いとで全く印象が違うのでしょうね。
このイラストを基点に物語を紡いだとして、
この内容、この展開を思いついたのがすごいなぁ、と。
まさに、この流れ、このシーンの3人の表情だ、と思います。

律子さんにはぜひ、幸せになって欲しいと思います。
そして、765プロの結婚式……。
きっと、普通には済まないんでしょうね! 楽しみです。
ガルシアP | 2010年10月17日(日) 20:03 | URL | コメント編集

>ガルシアPさん

律子派SS書きなガルシアさんからGJを頂きました。
律子の可愛さについても、今回ガッツリ語って頂きました。ありがとうございます!

コメントタイトルに挙げられた台詞は、自分でも気に入っているところです。
「1000字縛り」という条件の中で、どうしても言わせたかった台詞でした。

今回Pと律子は、社長とプロデューサーという名前の中に隠れていますが、
台詞を読んだとき、隠れた中の人が透けて見えたらいいなと思っていました。



>秋月律子というキャラクターは、他のキャラに比べると、
>とてもマルチな才能を持ったキャラクターだと思います。

律子はアイドルにも、事務員にも、プロデューサーにもなれる女の子なので
その時の立場で、コロコロと魅力が変わる、美味しい子だなあとも思います。
幾度となく立場が変わっても、前の魅力を重ねてキャラを見られることも、
律子にしかない、律子の魅力のひとつかもしれません。


>亜美と真美の動きとセリフがとても前面に出ていたので、
>深読みせぬまま上手く最後のシーンまで引っ張ってもらえました。

>色々な要素が綺麗に組み合わさった作品だと感じました。

亜美真美は素直な自己主張をする子なので、設定が決まれば勝手に走ってくれる、
自分の中では、とても手のかからないキャラです。
美希に並んで、律子と全力のケンカができる、数少ないキャラでもあるので
姿を変える律子の二面性の間を、ドタバタと一気に駆け回ってもらいました。


>まさに、この流れ、このシーンの3人の表情だ、と思います。

イラストが無くても読める、イラストが有るともっと理解できる、というSSを
目指してみましたが、実際どう見えているのかは、自分でも不安なところでした。
ガルシアさんにそう受け止めて頂いて、ホッとしています。ありがとうございます。


>律子さんにはぜひ、幸せになって欲しいと思います。
>そして、765プロの結婚式……。
>きっと、普通には済まないんでしょうね! 楽しみです。

一言も喋っていませんが、この律子は妙に逞しそうなイメージがあります。
社長と担当アイドルの間で、ドタバタしつつ幸せになって貰いたいですね。

コメントありがとうございました!
寓話 | 2010年10月18日(月) 22:46 | URL | コメント編集

最初読ませてもらったとき、「ああ、なるほど!」を膝を打ちました。

絵の使い方、そこに至るまでの文章の構成がとてもうまく繋がっていて、
とてもスーっとした読後感と、ニヤッとした笑みが出てきちゃいますね。

短いお話ですが、絵の3人の表情が、「これから」を語っている感じで、
お話の膨らみを感じました。
肉塊 | 2010年10月22日(金) 20:43 | URL | コメント編集

>肉塊さん

コメントありがとうございます。
先に肉塊さんの作品を拝見し、自分も「なるほど!」と思ったところがあり、
あちらとも少し違った場所にイラストを置いて、一つSSを作ってみました。

イラストが単独で話を語れる、絵本のような使い方をしてみたかったので、
最後までスクロールしたときに、「おっ」と感じて頂けましたら幸いです。
読んだ肉塊さんの頭の中に、これからの三人のイメージが膨らんだことを
うれしく思います。

読んでくださってありがとうございました。
機会があれば、是非また同じテーマで書き合いましょう。
寓話 | 2010年10月24日(日) 03:13 | URL | コメント編集

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