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2010'03.04 (Thu)

リボンの騎士

「一枚絵で書いてみm@ster」 第二回 参加作品です

※830行

***

【More】

<1>

 小鳥からの相談は、突然だった。

「春香の、代行プロデューサーですって?」

 すっとんきょうな声をあげた伊織に、小鳥は書類を抱えたまま頷く。

「伊織ちゃんは、半年前のサマースペシャルに出たの、おぼえてる?」
「『アイドルのペット大集合!』って企画を組んできた、歌番組でしょ。
 たしか、響も出てたじゃない」

 当時の響は、765プロダクションの所属ではなかった。ライバル事務所の伊織にむかって、
これでもかと競り合ってきたのをおぼえている。

「響の飼い犬が、うちのジャンバルジャンに、ちょっかい出してきたのよ」
「そうそう。それで、伊織ちゃんのステージに、飛び込んできちゃったのよね」

 思い出しただけでムカムカしてきた伊織は、ホントいやになっちゃったわよと文句をいう。
せっかくの生放送だったのに、トラブルに巻き込まれた伊織は、歌いそびれてしまったのだ。

「二月頭のウインタースペシャルに、春香ちゃんの出演が決まったのよ。
 でも、ちょうどその頃は、プロデューサーさんにも大事な出張が入っているの」

 そういうことか。伊織は小鳥の考えをくんだ。イライラしていた考えを抑え、冷静に考える。
一般のオーディション番組とはちがって、歌番組ならば駆け引きは必要ない。つまり小鳥は、
伊織に春香のサポートをお願いしたいというのだ。以前にもスペシャル特番の出演経験があり、
ちょっとやそっとのトラブルには動じないであろう、この伊織に。

 ふつふつ高潮しかけていた伊織の気分を吹き飛ばしたのは、ドアを元気に開けた響だった。

「あっ、いたいた小鳥。さっきの相談なんだけどさ」
「響ちゃん」
「やっぱり伊織、やんないって言ったろ? 自分が引き受けられるから、大丈夫だよ」
「なんですって?」
「心配しなくても平気だぞ、伊織。春香のことはまかせとけって」

 響が得意そうに胸を張る。その様子がなんだか、伊織にはカチンときた。響は現在フリーの
アイドル候補生。765プロのファッション特集や、千早と貴音とのラジオくらいしか、固定の
仕事はしていない。伊織と同じくスペシャル特番に出演した経験があり、スケジュールに拘束
されていないぶん、ちゃんと付き添いできるというのだ。

「ちょっとなによ、聞き捨てならないわね。それじゃ私が役立たずみたいじゃない」
「だって、伊織は普段の仕事もいっぱいあるだろ?」
「へなちょこプロデューサーの代行くらい、できるに決まってるでしょ」
「どうかなー。伊織、ときどき頑固になるから、春香がふりまわされちゃうぞ」
「突撃してばっかの響には言われたくないわね」

 まあまあふたりとも。小鳥が仲裁に入る。ここはひとつ、春香ちゃんにも聞いてみましょう。
ヒートアップしはじめた二人は、猛る炎を押さえて互いに頷いた。今にその鼻明かしてやると
言わんばかりに。



「響ちゃんか、伊織?」

 レッスン室にいた春香は、うーんとうなって腕を組んだ。思考時間の長さに、なにか言葉に
できないニュアンスをすくい取った小鳥が、決まったら教えてねと告げてその場を離れる。

「わざわざ来てもらってなんだけど、これはどういう組み合わせなの?」
「この前のサマースペシャルに出たからよ。
 春香は、今度のウインタースペシャルに出るんでしょ」
「あ、そうなんだ。伊織そのとき歌ってたっけ?」
「……だから。響んちの犬にじゃまされたって言ってるじゃない」
「ごめんって言ってるのに、しつこいなー伊織は」

 二人の視線がけわしくなり、発火点に到達した。あわてて春香は別の話題をふる。

「プロデューサーさんね、今度のライブ会場の、下見にいくんだって。
 北海道なんてうらやましいよね。美味しいものとかたくさんあるのかな」
「あいつ、なんか言ってなかった? 特番経験の豊富な伊織ちゃんに、よろしく頼むよとか」
「あ、なんだそれ。うさんくさいぞ。伊織、ステージから逃げだしちゃったくせに」
「うっさいわね。あんたんちの犬が、ご立派すぎるのがいけないんでしょ」
「うん。わかった。わかった二人とも。わかったから」

 うわーんプロデューサーさん助けてー。春香の情けない声がレッスン室に響いた。





<2>


 春香が出演するウインタースペシャルは、シーズンごとのアイドル特番だ。

 もともとの歌番組は、月曜日の生放送。春香も何度かステージに立って歌ったことがある。
通常は、18時からの60分番組だが、年に四度のスペシャル特番は、180分にわたる長放送。
スタジオゲストに招かれたアイドル達は、過去のライブ映像をふりかえってトークをしたり、
ステージの合間に対抗イベントをひらいたりして、その多くは和やかなムードで展開する。
 過去一回だけ放送トラブルがおきた、半年前のサマースペシャルをのぞけば。

「伊織の言ってることは、カメラ映りの話ばかりじゃないか」
「響の言うとおりの動きだと、早くて映像にのこらないのよ」

 出張に行く前、プロデューサーは伊織と響を呼んで伝えた。じゃあ、春香をよろしく頼むぞ。
最後まで一歩もゆずらなかった二人に、そろって代行プロデューサーの役目をまかせることに
したのだ。
 けれど、伊織と響は口論ばかりしている。ただのミーティングさえ、平和に終わった試しが
ない。いつも通りの自主レッスンでさえ、春香はうまく消化できないでいる。

 その様子を見かねていた貴音とやよいが、春香のもとに相談に向かった。

「肝心の代行プロデューサーが、あの有様では、仕事に支障がでるのではありませんか?」
「伊織ちゃん、いつもぴりぴりしてます。眉間にシワがよって、うー、って感じです」
「いや、それは私も、あの二人から痛いほど感じているんだけどね」

 なんでこうなっちゃうのかなー。春香は情けない顔をする。

「代行プロデューサーは、どちらかひとりで良かったのに」
「……しっ!」
「貴音さん、どうかしたんですか?」

 問いかけたやよいの方を向かずに、貴音が廊下のほうを見据える。面妖な気配がいたします。
なかば強引に、ソファの裏に隠れるよう命じられた春香は、息をひそめた。ばたばたと元気な
足音が近づいてきて、部屋に伊織と響の声がくわわる。

「やよい、春香みなかった?」
「え、えっと。いないみたい」
「おかしいな。絶対ここだと思ったのに」
「どうしたのです、響。おとずれるなり騒々しい」

 収録は四日後なのですから、振り回してはなりませんよと、貴音が厳しい口調でいさめる。
伊織と響は、互いを見てなにか言いたそうな顔をするものの、その先の言葉を続けられない。

「いや、あの。でもな、貴音」
「プロデューサーがぴりぴりしてるのは、やっぱり良くないよ」
「やよい。ちょっと私の話を聞いて」
「この先も口論を続けるおつもりならば、わたくしが代理をつとめても構わないのですよ」
「わ、私もがんばります! ぴりぴりしないでお仕事できます!」

 がんばれ四条さん!がんばれやよい!春香は無言で念を送りつづける。だが。

「いやだ」「いやよ」

 妙なところでユニゾンが生じた。反射的に顔を出しそうになり、春香はその衝動を抑え込む。
貴音とやよいもまた、意外そうな表情になった。異をとなえた二人は、順に口をひらく。

「自分、春香のじゃましたいわけじゃないからな。仕事はちゃんとやらなきゃダメだ」
「ステージが成功すれば、文句はないのよ。やり方がまどろっこしいことを除けばね」

 はて、どうしたものだろうか。貴音は頬に手を当てる。春香の仕事を台無しにしようという
考えは、二人にはない。だが、目指している方向がまったく反対を向いている。お互いの足を
引っ張りあいながら、一歩も前にすすめない状態だ。

 仲良くできませんか?尋ねたのはやよいだった。ぴりぴりしてると、春香さんがこまります。

「やよいの仰るとおりです。あなたがたの行動は、正直なにも実を結ばぬ気がいたします」
「自分が、まちがってるっていうのか?」
「優れた歯車同士でも、噛み合わねばただの駒です。一人でまわり続けるのが関の山でしょう」
「……わかった」

 響が伊織の方を向く。

「伊織、春香の歌以外のサポートしてくれ。自分、春香のステージサポートするから」
「はあっ!? なに言ってんのよ、私が春香のステージサポートするに決まってんじゃない」
「分割したほうが、うまくまわれると思うぞ。もう分けちゃおう。そうしよう。それがいい」
「よくないわよ! 私の話きいてないでしょ、このお馬鹿!」

 やよいが頭をかかえた。火がついた二人の前に歩みよった貴音は、だまって両腕をのばす。
伊織と響は、貴音に首根っこをつかまれるなり、ぽいぽいと部屋の中から放り出された。
 追い出されてもなお、火種が消えていないことは、室内の春香にも手に取るようにわかる。

(プロデューサーさんは、どうして両方におねがいしたんだろ?)

 膝を抱えたまま、春香は考える。答えはすぐに出てきた。もし仮に伊織か響の片方だけを、
代行プロデューサーに選んだとしても、残りが口を出してくるのもまた、明らかだったからだ。

 そもそもの発端は、半年前のサマースペシャルにある。伊織は、自分が代行を任された限り、
トラブルなんて生じさせないという意気込みがあるし、響は、トラブルを起こした責任感から、
代行を引き受けたいと申し出ている。終わってしまった事は、今さらどうすることもできない
のだ。伊織と響に空いた穴が、完璧に埋まることもない。

 ウインタースペシャルに出演する春香を手伝うことで、その穴を少しでもふさぎたいという
気持ちが、伊織と響を動かしている。それを春香が、否定することはできなかった。

 レッスン、もっとしっかりやらなくちゃ。春香は意識をウインタースペシャルへと向ける。
代行プロデューサー達が、春香のステージを安心して見るために。収録を四日後にひかえて、
床を立ち上がった春香は、やよいと貴音に礼を言うと、レッスン室へと足をむけた。





<3>


 あの日以来、伊織と響は、結局わかれて春香をサポートする道をえらんだ。スケジュールが
固定されている伊織は、春香のレッスンにずっと同席することができない。その時間は、響が
レッスンに付き合うことを提案した。伊織に不満は残ったが、そればかりは仕方ない。

 伊織はアイドルであり、春香の同僚であり、ライバルであり、代行プロデューサーなのだ。
春香のファンのために、伊織のファンをおざなりには出来ない。だが、春香の手助けをする
ことで、伊織が一層仕事にはげめるというのならば、それは伊織のファンにもつながる。

「おまたせ、春香。ミーティングをはじめましょ」

 仕事から事務所にもどってきた伊織は、レッスンを終えた春香と、番組の進行を話し合った。
180分にわたる生放送だ。当日のタイムラインは分刻み。コマーシャルも含めれば、秒刻みに
およぶ。一万と800カウントの間、よけいなアクシデントが生じることは許されない。

「記念回の特番だからかしら。おかしなゲームやらイベントは無いのね」
「前の放送をふりかえって、トークする時間が多いみたいだね」

 番組の宣伝では、記念すべき10回目のスペシャル特番だということをアピールしている。
一回目のオータムスペシャルから、伊織と響が出演した八回目のサマースペシャルを含んだ
過去九回分の映像を用いたコマーシャルが、街中のテレビ画面を華やかなものにしていた。

「ダンスも演出も、前と同じだから大丈夫よね。太陽のジェラシー、何度か歌ってるでしょ。
 できたら照明は落とせるといいんだけど。もうちょっと大人っぽくしたいって言うか……」
「伊織はえらいねえ」

 話の腰を折られた伊織が、ちょっとあんた真面目に聞いてるのと叱る。収録を明日にひかえ、
春香は長いことレッスン室にこもっていた。見えない疲れもたまってきている。ひとつ大きく
伸びをすると、そのまま春香は席を立った。

「どこ行くのよ」
「屋上。伊織も行かない?」
「行こうったって、外の天気しらないの? 大雪よ」

 全然遊んでないもん。春香はいたずらっ子の顔で笑った。響ちゃんも伊織も頑張りすぎだよ。
伊織は茫然としてその背中を眺めている。だが手元の書類を放り出し、コートをひっつかむと
すぐに春香の背中を追いかけた。

(誰のために頑張ってると思ってんのよ)

 伊織の呟きは外の空気にふれ、白くなって視界の横を流れた。誰のために。反芻した言葉は
耳をくすぐっていく。サマースペシャルの前日、伊織は不安だった。ウインタースペシャルの
前日、春香は雪で遊んでいる。

 今朝から降りだしていた雪は、止むことをしらず延々と降り続けていた。ここ数日先の天気
予報は、ずっと雪マークだ。寒い寒いと繰り返し言いながら、春香はダルマをつくっている。
ここでいっぱい転んでおきなさいよ。伊織が告げる。本番のステージで転ばないようにね。

「もー、伊織はひどいなあ」
「心配してあげたんじゃない。春香が不安がってるかと思って」
「私は、伊織が響ちゃんと、本番中にケンカしないかが心配だよ」
「……しないわよ。別に、最初からケンカなんてしてないわよ?」
「うそだ」
「誰がいったのよ。やよい? それとも貴音?」

 春香はゴロゴロと雪玉をころがす手をとめ、

「響ちゃん」

 レッスン中そればかり話してるよと、雪玉同士をかさねて言った。

「あんたたちは、ちゃんと、レッスンしてたわけ?」
「そりゃもう。パーフェクトですよ、プロデューサーさんっ!」
「それもどうだか」

 パーフェクトじゃないのは、私の方かしら。自分自身に呟いてみても、返事はこない。



 雪遊びなんかしたせいで、ロッカー室には水滴が散っていた。ロングブーツを履きなおした
ところで、伊織は帰りがけの響に声をかけられる。おー伊織、おつかれー。

「あ、響」
「ん?」

 響が首をかしげる。もう気にしないでいいのよ。終わったことなんだし。私も頑固だったわ。
言うべき言葉は出てこなくて、伊織はずっと素直になれない。響ばかりが一方的に謝り続けて、
そして伊織は、まだその謝罪を受け取れないでいる。

「どした、伊織?」
「あ……明日ね、明日もほら、大雪でしょ」

 だから車を出してあげるわ。当日スタジオに行けなかったらまずいじゃない。あんたが遅刻
してきたら、私まで不在ってことになっちゃうんだから。遅刻なんてしたら、春香が困るのよ。
いい?

 出てきた言葉はやっぱり乱暴で。だけど響は素直に受けとめた。

「うん、わかった。ありがとな、伊織!」

 じゃあ明日なと手を振って、響は行ってしまった。礼を言われたはずなのに、伊織の胸には、
どこか自分を偽った気分だけが残された。




 
<4>


 春香が太陽のジェラシーを歌っているのを、伊織はスタジオのモニター越しに見ている。

 スタジオのステージは、床一面が細かなライトタイルを使用されたもの。アイドルの演出に
あわせ、ライトアップの変化でいくらでもステージの雰囲気を変える。リハーサル中の春香は、
踊り慣れたステージの上で、ステップをひとつひとつ確認するようにダンスをつづけていた。

「ああ、伊織。ここにいたのか」
「響」
「いっしょに来てくれよ。自分ひとりじゃ通れないんだ」

 そう言って伊織の首にかかる証明札を指さす。番組と春香の関係者であることを示しつつ、
スタジオ内の通行証の役割をそなえたスタッフカードだ。

「響はステージサポート担当でしょ? 本番の五分くらいなら渡してあげてもいいかしらね」
「ず、ずるいぞ伊織!」
「冗談よ。今いっしょに行くわ」

 春香のリハーサル時間は15分。ステージの上で何度か確認しながら、照明や、カメラ担当の
スタッフと言葉をかわしている。伊織が春香のステージに対して、今さら口を挟むことはない。
曲もダンスも何度も見ているものだし、このまま任せても大丈夫だろうと踏んだ。

 スタジオから移動した先、関係者の控え室は上のフロアにある。リハーサルは、正午から
開始していたが、四時間経ったいまも、雪は降りつづけている。18時からの本番放送までに、
止みそうな気配は、これっぽっちもなかった。

「本土って、いつもこんなに雪が積もるのか?」
「たまたまよ。普段は積もって10センチってとこね」

 沖縄生まれの響が、窓の外にひろがる風景をみて呆けている。本当になにも見えないなと、
感動と少しの畏怖をまぜた口調で。不意に手をつかまれた伊織が、不審そうに響を振り返る。
えへへっと気の抜けた笑いがかえってきて、かまわず先を進んだ。まったくもう、付き添いが
必要なのは、春香ひとりだけじゃなかったわけ?

「こんなに降ってたら、プロデューサー、北海道で雪に埋まってるんじゃないか」
「どうかしらね。北国はそのあたりの対策はしっかりしているのよ」
「向こうのライブ会場って、まさか野外ステージじゃないよな」
「馬鹿なこといわないでよ。そんなの私ぜったい行かないんだから」

 通路の途中、巨大なガラスの向こうに広がる景色をみて、伊織と響が足を止めた。街が全て
白に埋まっている。雨とちがって、大雪の世界はどこまでも無音だ。音のないステージを前に、
同じような不安を抱いた二人は、自然と早足になった。はやく春香のステージが終わるといい。

 あいつは今頃ラーメンでも食べてるわよ。伊織が言って、響が笑った。



 正午から夕方にかけてのリハーサルは、最終局面を迎えていた。本番の衣装にも袖を通した
春香が、緊張したよと大きく息を吐きだす。通常放送ではたまにしか現れない、専属の楽団が
ひかえているのも、スペシャル特番ならではの趣向だった。サマースペシャル以降の伊織は、
通常放送に招待されるたび、バックバンドには彼らを呼びつけるのがお決まりになっている。

「生演奏をそばに歌うなんて、春香もお偉いさんになったもんね」
「のど自慢みたいなノリでいけば、大丈夫だろ。緊張なんてしないって」

 録音演奏と違い、生の音が近くを流れてくるのは緊張すると、春香は言った。けれどその分
すごく気分がいいんだとも。中断させてしまった時は、申し訳なくて、ぺこぺこ頭を下げたが、
数十人もの団員をしたがえて歌っていると、まるで王様になったような高揚感をおぼえた。

「それにね、いつもより上手に歌えるような気がするの。だからきっと本番も大丈夫だと思う」

 春香がまっすぐに前を向いて言いきったのは、二人の前では初めてのことだ。というよりも、
伊織と響がいっしょにいる機会が、今日までずっと無かったのだ。言われた側の二人もまた、
茶化さずに応じる。うん、わかった。頑張ってきてよ。

 ひとつ頷いた春香は、代行プロデューサー達に向かってぺこりと頭をさげた。





<5>


 北海道の雪は、昼すぎには止んでいた。

 札幌のとあるホテルに戻ったプロデューサーは、テレビをつけたまま、モバイルパソコンと
にらめっこしている。ウインタースペシャルの放送が始まってから、おおよそ半分ほどが経過
していた。春香のステージはたしか、19時55分ごろだったはずだ。

 明日には仕事が終わる。水曜日には向こうにもどることが出来るだろう。事務所のみんなに
土産を買っていかなくては。出発前に小鳥さんと亜美真美から渡された買い物メモが頼りだ。
 窓の外をみて、外に出られそうだと踏んだプロデューサーは、目星をつけていたコンビニへ
向かうことにした。春香の出番までには戻ってこようと考えながら。



 伊織は、ステージを真正面にとらえる、カメラエリアの最後部からスタジオを眺めていた。
ステージまでの距離は30メートルほど。舞台の上では、出演者のアイドル達が歌を披露して
いる。そこから右手側にある出演者の待機エリアで、ステージの方を向いた春香が手拍子を
おくっていた。

 歌が終わる。パチパチと拍手がはじける中、コマーシャル入りの合図が送られた。カウント
ダウンの明かりが、スタジオの一角に点灯する。並んだランプがすべて消えるまでに、準備を
整えなくてはいけない。つぎにステージに立つアイドルは、緊張しながらもマイクをうけとり、
楽団は指揮者のもと、細かなスタンバイを行う。

「春香、リラックスできてるみたいだな」

 隣にひかえていた響が言う。そうねと伊織もうなづいた。どうやら平穏無事におわりそうだ。
あえて難をいうならば、春香の出番よりもあとに、伊織と響が出演した、サマースペシャルの
ハイライト放送がくることだろうか。皮肉にも、高視聴率を叩きだしてしまったこともあって、
例のハプニング映像は、番組のエンディング付近で、ちらっと放送されることになっていた。

――春香には悪いけど、今日の番組の大トリは私になると思うのよね、にひひっ♪

 リハーサルの流れをひととおりすませたあと、伊織は笑顔で言った。そうふるまうことが
最善だと思ったからだ。悔しがる方が損でしょ。何度も使ってもらって得だと思っておくわ。
明るく告げられた響は複雑そうな顔をしたけれど、なにも言わなかった。



 雪は相変わらず降りつづいている。音もなく、静かに街をおおいつづけている。

 どこか遠くの場所で、ひとつの電線が、ああ疲れたと言わんばかりに、ふっと力を抜いた。
それは老朽していた電線で、定期的に点検は受けていたものの、限りなく黒に近いグレーで。
次回の交換までは保たないから、今季中に取り替えてもらおうと思われていた一本。
 息を切らした電線は、わずかコンマ一秒にも満たぬ時間眠ってしまい、はたと目を覚ます。
あぶないあぶない。眠ったら大変なことになる。とても大変なことに。そう、たとえば。



(……あれ?)

 響が軽く目をこすった。天井のライトが一瞬、光を弱めた気がしたからだ。……停電かな?
でも、そんなの普通、もっと大規模に起こるもんだよな。きっと、疲れているんだ。
 響はここ数日、太陽のジェラシーばっかり練習したせいで、寝ぼけながら一生懸命踊ろうと
してしまったくらいなのだ。夢のなかで、春香と同じステージの上で、何故か伊織がそこに、

「ちょっと!?」

 隣の伊織が腕をつかんだ。これは夢じゃない。カメラエリア内の照明だけではなく、今度は
ステージ横の観覧席の頭上で、とつぜん照明が弱まった。まるで何かの前触れみたいに。

「まずいわよ、次が春香のステージなのに」

 響が周囲を見回す。足元が不安の空気で満ちはじめていた。異常に気付いたスタッフ達が、
ひとことふたこと言葉を交わしながら、小走りに駆けまわっている。予備の照明はあるのか。
放送は続けられるんだろうな。大人達の言葉のなかで、伊織と響は無力だった。

 とにかく春香を安心させなきゃ。響は春香がいる方を向く。カメラが回り続けているせいで、
出演者のアイドル達は、大きな動揺を顔に出せない。司会者が、大げさなアクションで伝えて
みせる。外は大雪ですからね。でも大丈夫、このスタジオはつぶれたりなんかしませんよ。

 そう、スタジオは元気だ。だが供給される電気はわからない。暗闇の中、いくら楽団が音を
鳴らしても、歌うことの出来るアイドルなんていない。それはトラブルに巻き込まれた伊織が
一番よくわかっている。嫌と言うほど頭では理解している。でも。

 伊織と響は前方から視線を外すことができない。春香を照らす明かりが、淡く明滅している。

“パーフェクトですよ、プロデューサーさんっ!”

 スタンバイのために出演者の席を立った春香は、まっすぐな目で伊織と響の方を向いた。
代行プロデューサー達の視線を受け、春香は不安定な照明の下、ステージへと向かう。

「……止めなきゃ」

 響が呟き、伊織がそちらを振りかえった。





<6>


 スタッフの中には二つの意見が渦巻いていた。不安定な照明のまま続行させるくらいならば、
のこり一時間は既存の番組を流したほうがいいという意見と、完全に落ちてはいないのだから、
それまではカメラをまわそうという意見だ。スタジオのあちこちで、おかしなガタがきている。
それが外の大雪のせいなのは、誰がみても明らかだった。

「止めるですって?」
「春香を降ろすんだ、伊織。手伝ってくれ」
「馬鹿なこと言ってんじゃないわよ」
「馬鹿なもんか。プロデューサーなら続行させないぞ」

 765プロのアイドルに、またトラブルなんていやなイメージだろうと、響は続けた。なまじ
正論なだけに、伊織が言葉につまる。事務所が移った今、責任は響にも負わされる。
 サマースペシャルにおける放送トラブルは、伊織のステージが最後だったからこそ、うまく
番組を完走させることができた。けれど春香は、自分のステージと共に、このあとの60分も
背中にしょっているのだ。

「今なら止められる。まるまる一時間のこってるからな。でも途中からじゃ出来ないだろ」
「でも、落ちっぱなしとは限らないじゃない」
「落ちてからじゃなにも言えないぞ、伊織。困るのは春香なんだ」

 ステージには上がれないんだ。響は説得する。春香がひとりで困るまえに助けるんだ。

「……止めてもらうの?」
「自分達で、ディレクターさんに言いにいこう。うちのアイドルは歌わせられませんって。
 いつ電気が消えるかわからないなんて、ほとんど罰ゲームじゃないか」
「響」
「トラブルが起きるのはもうたくさんだ!」

 響が声を荒げた。びりびりとした強い空気が伊織の頬をかすめる。伊織に対し、真っ向から
刃向う相手を見るのは久しぶりのことで、だからこそ伊織も同じ空気をかえした。

「だったらあんたひとりでいきなさいよ!」

 ぱん。と乾いた音がして。とっさに顔をふせいだ響の手には、証明札が叩きつけられていた。

「いらないわ。ステージに上がれない紙切れなんて」
「伊織」
「これから春香は、誰に八つ当たりすればいいのよ」

 八つ当たり。伊織はそう口にした。それは自分の行為を非だと認める言葉。響は悪くないと
肯定する意思。響の瞳がわずかに冷静を取り戻した色になって、その時にはもう、伊織は響に
背を向けている。
 春香のステージを直前にして、120秒のコマーシャルタイムへと突入したとき、ステージの
照明がこれ以上ないほど光って、そしてすべて消えた。驚いた顔の春香が、膝をついてライト
タイルに両手をつくのが見えた。

 ざわめきが大きくなる。まずいぞ。代えのテープはあるのか。復旧できないんじゃないか。
だってこれじゃ何も映らないだろ。CM明け、ステージ真っ暗なんじゃないのか。大人達の声。
伊織は黙ってその中を進む。誰にも意図を悟られないように。響だけがそれに気付いていた。
暗かろうがなんだろうが、伊織はあの場所に向かっている。おどろいた春香が、座り込んで
しまった場所に。
 アイドルがステージの上で出来ることなんて、ひとつしかない。

 どうしよう。響の思考がぐるぐるとまわる。横を向いても相棒はいない。どうしよう、貴音。
答えをみつけられない響の脳裏に、どこまでも静かな言葉がくりかえされる。

“噛み合わなければ、ただの駒です”

 ぐしゃり。響の手の中の証明札が歪んだ。ポケットにねじ込んで、伊織の後を追いかける。

 伊織は前列のカメラエリアに突入して、進路をさがしていた。足元は流れるコードだらけだ。
うっかり踏みつけてころびそうになるところを、懸命に避ける。先に行くぞと言わんばかりに、
響はコードの束を飛びこえて、伊織の前をすすむ。45秒。あとコマーシャル三本しかない。

 ステージの前部分には階段がない。正面側からは、よじのぼるしかなかった。響はうしろを
振り返る。紺のスカートにブーツ。なに止まってんのよ。18秒。臙脂色の静かな視線。15秒。

 走ってきた伊織が、響の真横の床を踏み切る。響は両足に力をこめた。なにかに背中を強く
押された伊織が、勢いのままステージの端に肘をつく。OK。響は並んで端に両手を掛けると、
一息に飛び上がった。春香、大丈夫か。マイクの無い声はふるえた。届いてないかもしれない。
思いのほか広いステージの上で、膝に力がはいらない。もう、春香を降ろすのは間に合わない。



(どどどどうしよう、どうしよう!?)

 暗いステージの中央で、春香はまだ二人に気付いていなかった。スタジオの不穏な空気が、
全てステージの方へ流れこんでくるみたいだ。今までの120分が、全部ムダになってしまう。
放送事故だ。真っ白になった春香の頭の中に、出張に行ったプロデューサーの顔が浮かび、
そしてそれは、二人の代行プロデューサーの声へと変わった。

「春香!」

 伊織と響が声をそろえた直後。
 死んでいたはずのライトタイルが、一斉に強烈な照明を吐き出した。



<7>


 白一色の世界で、春香はただ茫然としていた。なにが起こったのかわからない。どうしよう。
足元はライトでいっぱいなのに、目の前は真っ暗だ。歌わなくちゃ。だって時間がきちゃった。
カメラは今もここを映してるし。プロデューサーさんだって、きっとテレビつけてて。だから。
だから――

「立てるか、春香」「行くわよ」

(……え?)

 足元の床が抜けた。それは間違いだ。左右から伸ばされた両腕が、春香を立ち上がらせる。
演奏お願いします。響がはっきり言った。カメラの方を向きなおり、伊織もうなづいてみせる。

 決断は同時だった。考えたのは責任じゃない。互いへの言葉。

「ダンス遅れるなよ、伊織」「誰に言ってんのよ、馬鹿」

 二人の拳がまっすぐ突き出される。それが軽くぶつかりあったことを合図にするかのように、
軽やかにタクトが振られた。届けられたのは春香の歌。春香のための音楽。メロディーに反応
した春香の瞳に光がもどる。慌てて隣を向けば、伊織と響は、すでにその場を離れていた。
 そこは春香の立ち位置。ウインタースペシャルの出演者が、歌うことを許されたステージ。
突然のゲストに戸惑っていた春香が、二人の意図をくんで、ようやく笑った。

 スタジオの関係者たちは大きくどよめいていた。どたん場で息を吹き返した照明が、春香の
いるステージ周辺だけだったからだ。出演者や観覧席のエリアは、相変わらずダウンしている。
 ライトタイルの明かりが、やけに眩しく見えた。金管楽器のかがやきが、波しぶきのように
光を反射する。その光の中で、春香は歌う。後ろに、やたらと上手なダンサーをしたがえて。



 バタバタと復旧に勤しむスタッフが大勢いる中、ステージ隣に立つ観客が、ふふっと笑って
伊織と響の様子を見ていた。彼は半年前の、ウインタースペシャルにも顔を出していた観客で、
響のステージも、伊織のステージも、その手伝いをしたことがあった。

――同じアイドルは、二回は、出られないんですよ。

 友達から聞いて、彼はとても落胆したのをおぼえている。あの子は最後、歌えなかったのに、
それでも駄目なのかい?と聞いても、友達は首を横に振った。前からそういうルールなんです。
すいません先生。その代わり、普通の番組では、ちゃんと呼びますからね。

 彼の友達は、他でもない番組ディレクター。彼はいま、指揮台のうえでタクトを振っている。
ピンクのリボンの子は、私服にブーツでも、ちゃんと上手に踊れている。浅葱のリボンの子は、
二人の位置をよく見ている。そう、三重奏はハーモニーが大事だ。赤いリボンの子が歌うのを、
けして邪魔してはいけないよ。タクトを振りながら、彼は、指揮台のすぐそばを、大きな犬が
かけぬけてきた日のことを思い出していた。
 今日の先生は、ずいぶんご機嫌だな。楽器をかまえる団員たちはそんなふうに思う。



 買ってきたビールの栓を開けることすら忘れて、プロデューサーはあっけにとられていた。
いったい何が起こったんだ? 長いコマーシャルが終わり、春香のステージを待っていたら、
スタジオの様子は、ずいぶんおかしなことになっていた。

 カメラはずっとロングの位置から全体を映している。照明が落ち着かない。足元で点いたり
消えたりをくりかえしている。その明滅が、プロデューサーの目には、砂か波のように映った。
楽団の伴奏が、それに風の勢いをつける。春香はその波の上を、歌いながら楽しそうに踊る。

 春香の表情をみている限り、どこまでがリハーサルで、どこからが本番のステージなのか、
プロデューサーには判断がつかなかった。伊織と響までステージに上がるなんて、想定外だ。
アイドルとステージに立つプロデューサーなんて、見たこともない。

(帰ったら、小鳥さんにきいてみよう)

 プロデューサーはそう考えた。あの時、春香をよろしく頼むと言ったのはプロデューサーで、
頷いたのは、伊織と響だったからだ。トラブルとサプライズの区別はつかないが、ステージは
まだ、トーンダウンしていない。春香が笑顔で手を振っている。

“パーフェクトですよ、プロデューサーさんっ!”

 そんな声が聞こえた気がした。



 四分間弱のライブを春香が成功させたことで、スタジオの流れは一気に続行側へと傾いた。
19時から20時台への一本橋をわたりきったことと、厄介な照明トラブルをのりきったことで、
チャンネル移行中だった視聴者の興味は、この番組へと集中しはじめている。ここから勢いを
中断させてしまうのは、あまりにも勿体ない。

 一息ついたらライブを続けるんだ。スタッフを見わたして、ディレクターが言った。
 どんなライブでもいい。録画放送でお茶をにごすなんてことはするな。

 ステージを降りてきた春香は、あちこちのスタッフから拍手をもらっている。よくやった!
ありがとうございます。ドキドキしちゃいました。拍手をもらえるのは春香だけ。伊織と響は
これから大変な仕事が待っている。勝手な判断をしてしまったことだけは、まちがいない。

「ねえ響、あんた始末書って書いたことある?」

 どのくらい怒られるのかしら。不安な声で、伊織が隣を向く。だが響は、そこにいない。

「……響?」

 伊織があたりを見回す。とつぜん迷子になったみたいだ。照明はぽつぽつと戻ってきていて、
ステージカメラは休憩中。放送は第六回のスペシャルのハイライトを流している。10分間の
インターバルのあとは、だれが歌うんだったかしら。伊織の頭に入れたはずのタイムラインは、
ステージの上で踊っているうちに、すっかり全部ぬけおちてしまった。

 もういいわ。春香は、ちゃんと歌えたんだもの。一仕事終えた伊織は、ふうと息をついた。
あとはいくらでも怒られてあげる。どうせ私ひとりで怒られるんじゃないもの。

「伊織」

 響の声がした。すうっと息を吸って一息にまくしたてる。遅いじゃない、どこに逃げてたの。
言葉尻は徐々にちいさくなっていく。響の隣に、見覚えのある、タキシード姿の老人が立って
いたからだ。その手にタクトをもって。老人は、胸に手をあてて頭をさげる。

 謝罪したいんだ。響は言った。自分達、これからディレクターさんにお願いしにいくんだよ。

「な、何の話よ。謝罪ってなに? 謝りにいくの?」

 響は老人を見上げ、指揮者は片目をつむってみせる。
 よけいな最後の放送時間を押しだしてしまうくらい、彼らにはとても簡単なことだ。





<8>


 生き返ったスタジオの中、ステージ上の明かりはそのほとんどが落とされていた。時刻は
20時を10分と少しまわったころ。春香のステージから10分弱のインターバルを挟み終えて、
ステージはふたたび息を吹き返そうとしている。

 照明は暗いまま。そこに、ぽつんぽつんと僅かな明かりが灯った。オレンジの細い明かりは、
夜の街灯を思わせる。中央に立っているアイドルは、予定されていたアイドルではなかった。
名前のテロップすら、用意されていない。

 伊織は横を向いて頷いてみせる。指揮者は合図にしたがった。スネアドラムがリズムを刻み、
グロッケンが主旋律を鳴らす。静かな、静かな伴奏。

 流れ出した音楽は、先月のオリコンランキング総合一位。今年に入ってからの売り上げでは、
まだ誰にも抜かれていない。真冬のリリースだったにも関わらず、常夏を感じさせるその曲は、
昨年夏に八週目でミリオンを達成した、太陽のジェラシーにも並ぶ勢いを持ち合わせていた。

 会場の雰囲気が変わった。先程までの昼のアイランドから、一転して夜のリゾートの世界へ。
伊織は口の両端を上げる。リゾラのジャズアレンジなんて、響にしちゃ冴えてるじゃない。

 た、たん。たらたた、たらたた、たたたた、――たん。

 伊織が顔をあげる。ここから先は私の時間よと、王様は視線だけで語った。



 やよいは廊下を慎重に歩いていた。お盆にのせた四人分のカップを倒さないようにしながら。
今日の事務所はとてもにぎやかで、さっきまでの停電にドキドキしていたのがうそみたいだ。

 辿りついた扉の前で、かたまっていたら、背後から伸びてきた手がノブを動かしてくれた。
ありがとうございます。やよいは元気に礼を言う。どういたしまして。貴音は丁寧に応える。

 扉を開いた貴音は、反射的に室内の方へと顔をむけた。やよいも足をとめる。部屋の中から
流れてきた歌声に、その音楽に、二人は聴きおぼえがある。
 あらちょうど良いタイミングねと律子が言って、ソファに座ったあずさが二人を手招きする。

 やよいの手からお盆を受け取った貴音は、その背中をとんと押した。大きなテレビの画面に
吸い寄せられるように、やよいがそちらに向かう。やよいの頭で画面がすこしばかり見えなく
なっても、三人は叱らない。もとより今日の番組は録画されていたし、流れてくる音楽だけで、
満足していたからだ。すこしくらい映像をやよいに独占されたからといって、腹は立たない。

 やよいはテレビの中を見ていた。そちらに向かって指先をのばす。
 その両目が細くなって、右手が画面に触れた。



 オレンジ色をした照明のひとつが、伊織の頭上を捉えていた。伊織はそちらに向かって腕を
掲げる。手のひらの向こう側からのぞく光を、まぶしそうに眺めながら。見上げるその表情は、
これっぽっちもぴりぴりしていない。やよいは見てくれてるかしら?その目に不安はない。

 空中からのカメラは、太陽に手をのばす伊織の姿を映している。



 春香と響は、ステージの端にならんで伊織の歌声を聞いていた。出演者がいるべき席からも
離れた、カメラでもギリギリ捉えきれないあたり。ジャズはよく解らないけど、伊織の歌声は
心地よかった。最低限の伴奏と、わずかな照明だけで、ステージの空気を手のうちにしている。
スタジオ中が、静かな熱のこもった音楽に、耳を澄ましている。

 伊織の歌声は、まっすぐ届いた。驚くほど素直に、胸の奥へすとんと落ちる。それは上手な
エスコートに似ていた。あんまり伊織が自然に手を差し出すものだから、観客は誘われずには
いられなくなってしまうのだ。気がつけば誰もが身体を揺らし、目を閉じて聴き入っている。
 そんななか、響がぽつりと呟いた。

「伊織、もう怒ってないかな」

 怒ってないよ。春香は答える。ずっと前からね。

「でも律子さんはどうかな?」
「……あー、番組チェックしてるだろうな」
「あと、放送事故って言われそう」
「いまの伊織に面と向かって言えるやつがいたら、勇者だよ」

 雑談していると思われたのだろう。伊織の声に力が入った。振り向きざまに片眉を上げられ、
春香と響は軽く両手をあげた。あと80秒も経たずに、それは盛大な拍手を贈る両手に変わる。

 だけど今は、拍手するにはまだ早いから。

 二人から手を振られた伊織は、宜しいと言わんばかりの顔で、得意そうに裾をひるがえした。





<9>


 降りつづいていた大雪が止みはじめたのは、それからさらに二日後のこと。



『みなさんこんばんは。如月千早です。水曜日の夜、いかがお過ごしですか?
 本日のメールテーマは、……“放送事故”に関するメールを、募集しています』
『ちょっと待って』
『みなさま、ごきげんよう。四条貴音です。今宵も、楽しき一時間になりそうですね』
『いや、ちょっと待ってよ』
『我那覇さん、挨拶。挨拶』
『待ってって。……ああ、ええと、我那覇響です。こんばんわ』
『一昨日の件だけで、すでに100通あまりのメールが届いているそうよ』
『伊織への謝罪も果たし、響が一人で落ち込むこともなくなり、これ幸いなことですね』
『い、いきなり何ばらしてんだ!? じじ自分、ちっともしょんぼりしてなかったんだから!
 いまのなんなんだよ貴音ー! もー! 空気よめよー!』



 ほんとなんだから!ほんとに伊織が主犯だったんだぞ!ラジオの放送がはじまってからと
いうもの、響の主張はここ10分ほどずっと変わらない。伊織は耳にしていたイヤーマフ型の
ヘッドホンから、その会話を耳にして渋い顔をしていた。まったくもう。今からラジオ局に
乗りこんで、全部しゃべってやろうかしら。伊織の呟きに、あははと春香が笑う。

「いいよ、伊織。千早ちゃん達のラジオ局いこう。渡したいものがあるんだ」
「今から?」
「プロデューサーさんから、いっぱい預かりものがあってね」

 ただでさえ寒いのに、春香は事務所の屋上で雪ダルマなんて作っていた。付き合ってあげる
伊織もまた、それなりの反省心はあったのだろう。出張先から帰ってきたプロデューサーには、
やっぱり叱られてしまったし、付き添いの役目をちゃんと果たせたかと言われれば、正直頷け
なかったからだ。

 春香はノーペナルティだったが、あれから伊織と響は、それなりの始末書を書いた。しかし、
それを上回る数の投書がきて、テレビ局も、765プロも、大っぴらには二人を叱れなくなって
しまったのだ。停電とそれに関する放送事故について、以降の放送で謝罪したテレビ局には、
クレーム用のファックス番号が用意されたが、本来の役割はあまり果たしてくれなかった。

「“いおりんのジャズバンドマジ最高!!”とか、言われるとは思わなかったわ」
「みんな喜んでたみたいだよ。出られると思ってなかった人が大半だったみたい」
「この水瀬伊織ちゃんが、通常放送くらいで満足できると思ってるほうが大間違いなのよ」
「伊織のステージはトラブルばかりだから。次の特番が心配だよ」
「そうね。今度は屋根が抜けて大雪でも降るかもしれないわ」

 そうしたら春香は、雪ダルマになっちゃうかもね。足を進めながら、伊織が言う。前を歩く
春香は、それでも別にいいよと、否定はしなかった。

「よくないわよ。動けなくなったら、歌えないじゃない」
「歌えるよ。――歌えたからね」

 春香は振り返って笑う。そして手を伸ばす。さあ行こう伊織。いそいで出発しなくっちゃ。



 もしも春香が、動くことのできない雪ダルマになったとしても。
 そのときは、春香の代行プロデューサーも巻き込まれてくれるに決まっているのだから。



『“太陽のジェラシーの前、響ちゃんは伊織ちゃんに何をしゃべっていたのですか?”』
『えー……い、伊織のデコフラッシュマジ最高!……とか』
『響。あまりひどいことを仰っていると、閻魔様がやって参りますよ』
『そうよ、我那覇さん。今さっき我那覇さん宛てに、お叱りメールが届いたのよ』
『ふ、ふふん。二人とも、自分のことビビらそうったって、その手にはのらないぞ』
『いつまでも意地っぱりな人には、罰ゲームが当たってしまうのよ』
『なんだ、それ?』
『じきにわかりますよ。響の携帯が震えなかったことが、なによりの証拠なのですから』



 ラジオ局の響は知らない。

 千早と貴音の携帯にメールが送られてきていたことも。
 タクシーに乗った春香と伊織がこちらに向かっていることも。
 北海道のお土産をかかえて、一騒ぎしようとたくらんでいることも。
 番組宛のメールが、今日だけで先月の記録を大幅に更新してしまうことも。
 トラブルが起きるのはもうたくさんだと、響がもういちど呟くはめになることも。

 それから。

 一騒ぎのあと、もう気にしなくていいのよと、面と向かって伊織が口にしてくれることも。

 ラジオ局の響は、まだ知らない。



                              (おわり)
00:00  |  伊織  |  TB(0)  |  CM(12)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

「一枚絵で書いてみm@ster」参加中の月の輪Pです。

響と伊織がかなりガチでぶつかってましたね。とはいってもいざとなれば共同戦線を張るのだろうとも思っていたのですが――ギリギリまで意地っ張りでドキドキしました。春香に自分の味わった屈辱を受けさせたくないと頑張る2人に、予期せぬアクシデントが襲い、どうなるかと思いきや! 失敗も糧にするのが彼女らのやり方なのでしょうね。
月の輪P | 2010年03月04日(木) 13:19 | URL | コメント編集

コメントありがとうございます。
お題イラストに春香と伊織がいたので、ガチで言い争う伊織が書きたいなと
考えていました。オーディションとは離れたところで、伊織に決闘させたいと
思ったのがきっかけです。伊織はスターシナリオで貴音とバトル済みなので、
今回は、響相手にバトルしてもらいました。

伊織と響の衝突シーンは、苛烈に表現したかったところなので、ドキドキして
もらえて嬉しいです。長編の中に、強く印象に残るシーンをひとつ入れたかった
ので、伊織も響もギリギリまで意地っ張りになってしまいました。

読んでくださってどうもありがとうございました!
寓話 | 2010年03月04日(木) 20:09 | URL | コメント編集

響にしろ、伊織にしろ 背負った物があるので
それを春香に背負わせたくないことばかりに必死になって
周りがみえない そして、御互いにその背負ったものを
自分だけでしょいこもうとするからこそのかみ合わなさ
がぶつかる原因だったけど、根本的にはみんながみんな
他の人を思いやれてるからこその成功であり、機転なんでしょうねぇ
もうちょっと素直になればもっと楽なのに 不器用なのが
辛いけど、それがまた魅力ですよね

 みなさん、とにかくご苦労様でしたという感じで^^
トリスケリオン | 2010年03月07日(日) 00:02 | URL | コメント編集

コメントありがとうございます。
今回は「黒歴史との付き合い方」がSS内のテーマでした。
伊織と響は、それから“逃げる”手段だけは選ばなそうな
芯の強いイメージがあります。なまじひとつ決め込むと
他の手段(=妥協)を良しとはしない、頑固な面もあるため
トホホな春香さんを筆頭に、周りは相当大変だったんじゃ
ないかと思います。(まったくもって御苦労さま、でしたねw)
不器用な部分が魅力的に映るのも、やはり成長途中の
キャラならではの良いところなんじゃないでしょうかね。
弱さを認められる(受け入れられる)子のほうが、より強く
見えるように感じます。

企画主催お疲れさまです。前回よりも大規模になってきましたね。
今回のお題も、とても面白かったです。ありがとうございました。
寓話 | 2010年03月07日(日) 19:05 | URL | コメント編集

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 | 2010年03月08日(月) 11:03 |  | コメント編集

>ガルシアPさん

コメントありがとうございます。ご指摘大変ありがたく存じます。
指摘故に、コメント非表示を選択してくださったものと察しましたが、
非常に嬉しい内容であったため、この場にてコメントより抜粋した
返答をさせていただくことを、どうかお許しください。



・単語表記について

「駒」と「独楽」は最後まで悩みました。「衝突し合う」という意味では、
どちらでも通じてしまうためです。独楽の意味を喚起させてしまう部分を
極力削ってしまったほうが正解だったようにも思います。「駒」を用いた
のは、伊織と響に「チェス盤の騎士」の役割を宛てたかったためです。

(言葉足らずゆえに、うすぼんやりとした表現になってしまいましたが、
 【「冠を有する王(春香)を守れ」、という任務をPから命じられたのが
  もとは敵同士の関係だった、白の騎士(伊織)と黒の騎士(響)であり、
  「もう少しまともに立ち回りなさい」と、女王(貴音)から叱られる】
  と、いうシーンを考えていました)

・「まわる」の意味合いで、スピン(独楽)よりナイト(駒)を上位喚起させる
 のは少々苦しかったですね。「回転=盤上における無駄な立ち回り」を
 イメージしていたのですが、ストレートに「共闘する」という意味の単語を
 当てれば良かったかなと思います。

・チェスの騎士(ナイト)は、桂馬と同じ機動力を前後左右に持ちますが、
 塔(ルーク)とは異なり、まっすぐ突撃することはできません。
 “ただの駒(ナイト)でないのならば、機動力を無視して突撃しなさい”
 という意味合いを、繰り返された発言に含めたかったのですが、あまり
 上手くは差し込めませんでした。
 (今読み返してみても、やはりスピンの意味合いの方が強いですね…)

***

今回は今まで手を出したことのない部分を遠慮抜きで詰め込んだので、
書いた本人は楽しかった反面、反省部分も沢山残ったSSになりました。
作品へのご指摘は、マイナスでもプラスでも同じくらい嬉しい物ですので、
自ブログ内であれば、遠慮不要で切り込んで頂けましたらと思います。
(「で、ですがここだけは!」と見苦しく言い訳するかもしれませんが…w)

創作意欲をつつくご指摘、真にありがとうございます。次回以降のSSに
活かしていこうと思います。またの機会をお待ちしております。
寓話 | 2010年03月08日(月) 14:25 | URL | コメント編集

野暮ったー。

なるほどねー。と思いました。
チェスの駒か。それはカッコ良いモチーフです。
とても物理的に「まわる」を受け止めてしまい、無念。

非公開コメントはブログ主さんに対する配慮と見せかけて、
自身のツッコミが間違ってたら、という自己防衛の側面もあり、
どっちにしても、野暮ったい振る舞いかもしれませんね。

よし、次からは正々堂々切り込むぞー!(適度に)
ガルシアP | 2010年03月08日(月) 20:00 | URL | コメント編集

お気になさらずー。

春香=王のイメージはもっと強くしても良かったな、と思いました。
「お姫さまティアラは春香のアイテム」という強調が無かったことが
おそらく作中一番のポカミスでしょうね。お題イラストの一部だけで
最後まで引っ張ってしまいましたが、今ひとつだったように感じます。

タイトルが指す「騎士」はあくまでも伊織と響であり、春香は別の役、
という説明がやはり必要だったように思います。差し入れるとしたら
<2>の最後あたりでしょうかね。二人に対して「王が誰なのか」を、
やよいに問いかけさせて、春香が黙ってティアラを持ってるだけでも、
その後の展開はずいぶん違って見えるような気がします。

(書き手が認識している情報と、読み手さんが認識できる情報の間に、
 剥離を発生させてしまっているのがイマイチ勿体ないですね…(´・ω・`)ショボン)



とまあこんな感じでですね。自ブログなら好きなだけチラシの裏みたいな
考察やら反省やらを書いても誰にも怒られないので。思ったことを何でも
ボスボス叩いていただけたらと思います。うちのサンドバックはそこそこ
丈夫にできておりますので。(ててて適度にですよプロデューサーさん!)
寓話 | 2010年03月08日(月) 21:01 | URL | コメント編集

あらあら、出遅れてお書きすることが無くなってしまいましたw

こんにちは、一枚絵に参加しておりますアリスにございます。

あらあら、出遅れてお書きすることが無くなってしまいました。素敵な作品に、注釈や解釈のあれこれを並べるのが趣味ですのにw

…それでは、少しだけ。

春香さんが王者であることは、スタジオの不安の中で、二人の代理プロデューサーを見た上で、ステージに登ったことで証明されるかと。まさに、春香さんは王者として意思決定をしたのです。春香さんがステージに登ると決断したからこそ、二人の騎士は走り、そして暗闇のCM開けに春香さんの周囲だけでも灯りがともったのです。理屈やリアルはどうでも良いです。物語としてはそれが真実でしょう。
素敵です。春香さんの生き様が素敵です。春香さんは、作中の特に前半でいろいろ言っていたのに、二人の代理プロデューサーを信頼しているのです。彼女の本当のプロデューサーさんでは無いのに。素敵です。

あと、蛇足ながら。
上の、チェスの例え、大変面白く拝見しました。最初の通読ではまったく意図の外でしたので、二度目の時に意識して読みました。…なるほど、素晴らしい構想です。
なのですが、一点わかりかねることが。
春香さんが王、伊織さんと響さんが騎士、貴音さんが女王ならば、
やよいさんの位置は、いずこに? 響さんと貴音さんが対として描かれ、伊織さんとやよいさんが対ならば、やよいさんは何の駒に例えられるのでしょう? 私、チェスは駒の名前と動きくらいしかわかりませんので、その無知ゆえ、なのでしょうか? ご教授いただければ嬉しいです。

長々と駄文失礼いたしました。それではまたいずれ。
アリス | 2010年03月09日(火) 12:46 | URL | コメント編集

質問ありがとうございます。

こんにちは。コメントありがとうございます。再読していただけたこと、
春香の記述に対し寛大なお言葉を頂戴したこと、大変嬉しく思います。

文章があちこち不親切になったのは、モチーフに振り回されすぎたのが
一番の原因なのだろうと考えます。もっとも立ち回りが下手だったのは、
書き手自身でした、という良くないオチでしたね。反省しきりです。

駒のモチーフの件でご質問を頂きましたので、いくつかお答えしたいと
思います。なにぶん設定ばかり先行して、処理できなかったものが多く
設定止まりだった部分もありますが、何らかの参考になれば幸いです。

(※作中におきましては、無視しても構わない部分に相当します)



・やよいの駒について

やよいは王と女王の近衛である、歩兵(ポーン)をイメージしていました。

もっとも弱い駒ですが、ある条件を満たすと女王(クイーン)に昇格する
ことができます。白の騎士(伊織)が歩兵(やよい)の怒気にたじろいで
いるのはそのためです。行動理念の一端を担い、苦言を呈せる存在が
女王(貴音)の他に、もうひとり必要でした。それが歩兵(やよい)です。

・白の騎士(伊織)が守るは王(春香)であり、剣を捧げるは女王(やよい)
 でした。伊織がその誤った行動を変容させたとき、やよいはそれを良しと
 認めてあげられる存在です。

・専門ルールになるため、作中では意図をほとんど伏せてしまいましたが、
 歩兵(ポーン)の特有スキル、“昇格(プロモーション)”が成立する条件は
 「歩兵(ポーン)がチェス盤の八列目(敵陣の最終ライン)に到達する」です。

(明かさないかぎり全く解らないレベルなのですが、終盤のハイタッチが
 それを暗に示していました。やよいが敵陣(ステージ)まで到達できる
 上手い手段が、他にみつからなかったのです)


・春香の能力について

歩兵(ポーン)の特有スキルと同じく、その意図を伏せて使用していた
王(キング)の能力があります。“入城(キャスリング)”というものです。

(正しくは、塔(ルーク)の特有スキルであり、王(キング)と塔(ルーク)の
 居場所を置換することを可能とします。発動には複数の条件があり、
 「塔(ルーク)と王(キング)が未移動」「二者の間に邪魔な駒がない」
 という点を満たすとき、両者はその居場所を交換することができます)

・日付が改まり、「2ゲーム目を開始している」という解釈で行っています。
 塔(ルーク)が誰なのかは、語らずとも解っていただけるかと思います。

・王(春香)が塔と居場所を交代した直後、黒の騎士(響)は逃げ場所が
 失われたことを悟り、白の騎士(伊織)は背後を取ることに成功します。
 白の騎士(伊織)が自分の負けを認めるのは、その後です。


***


結局のところ、この作品は「負けたものが勝ち」という内容のSSであり、
「誰もが一度はチェックメイトを掛けられる」ゲームだったわけですね。
(伊織ではなく、やよい視点でも案外面白かったかもしれません)

設定だけで参戦していない駒が半分以上あるので、ネタが浮かんだら
リメイクしてみるのも良いかなと思います。いずれにせよ、設定ばかりで
満足しているのは一番ダメダメな例ですね。次はちゃんとSSの中身で
語りたいものです。

長々と失礼しました。作中への貴重なご質問、心より感謝いたします。
またのお越しをお待ちしております。
寓話 | 2010年03月11日(木) 22:32 | URL | コメント編集

丁寧なお返事をありがとうございました。

丁寧なお返事をありがとうございました。
チェスのwikipediaを読みながら拝見しました。なるほどなるほど、改めて、見事な構想でした。
千早さんがルークなのは面白いですね。ああ、なるほど城壁が、いえ、なんでもございません。

…チェス駒コスプレのアイドルたち、などという神の配剤、ならぬ妄想神の廃材が降りてきてしまいました。さて、どうすれば彼女たちがそんな格好をすることを受け入れるようなお話にできますでしょうか?
少し考えてみます。
それではまたいずれ。
アリス | 2010年03月12日(金) 12:51 | URL | コメント編集

激しく自重しました






>なるほど城壁が





……言わなかったのに!!言わなかったのに!!!

(一番欲しかったコメントです。重ね重ねありがとうございましたw)
寓話 | 2010年03月12日(金) 20:55 | URL | コメント編集

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