All archives    Admin

07月≪ 2017年08月 ≫09月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2010'04.22 (Thu)

『雨の日はいつも』

(skypeチャットを使用した一行(一段落)リレーSSです)

【概要】

・リレー順序 1:ガルシアさん2:寓話→3:微熱体温さん→4:トリスケリオンさん(誕生日順)
・制限時間 30分→60分→75分(23:00開始~00:15終了)
・1レス記入時間は約30秒~2分程

【More】

『雨の日はいつも――』


その日も大雨だった。春香は淀んだ空を見上げて呟く。
「……昨日も一昨日も、こんな大雨だったよね」
とりあえず手近にあったコンビニに入り、雑誌でも読みながら雨宿りをすることにした。..
「あら春香? 偶然ね」
大型ベンツで乗り付けてきたのは伊織だった。わざわざコンビニに何の用だろう?
こんな狭隘の路地にわざわざ車幅の広い高級車で来る意味を、春香は測りかねていた。
伊織は、怪訝そうな春香の横を通り過ぎて、何故か酒を物色し始めた。
これはダメ、これじゃ弱いわ――どうやら、アルコール度数を見ているらしい。
春香は、伊織の視線がどこかおぼつかないのが気になって、雑誌に集中できなかった。
「……ねぇ、伊織?」
春香は読んでいた「個性を磨く108の方法」という特集が載っている雑誌を元に戻し、伊織に話しかける。
「ま、まさか、お酒無いと我慢できないカラダになっちゃった――とかじゃないよね?」
雨の日はいつも、決まっておかしな事件沙汰が起こる。今朝も律子に念を押されたばかりだ。
とは言え、起こる「事件」に本当の事件性など微塵も存在せず、例えば美希がおにぎりを
食べなかっただとか、あずさが迷わずに時間通りに事務所に辿り着いたとか、その程度の物だった。
伊織はそんな春香の問いを無視して、一つの酒瓶を手にとって……うっとりとそれを眺め始めた。
「45%か。このくらいなら、効くかもしれないわね……」
「ね、伊織そのお酒、何に使うの?」
春香が伊織の肩越しに訪ねると、伊織はやや面倒臭そうな表情を浮かべて答えた。
「春香、聞きたいの?後悔しないなら聞かせてあげるけど」
その深い闇を秘めた表情に、春香はゴクリと喉をならすと、こう言った。
「あんなに“念を押された”のにね」耳元で伊織が言うと同時に、ドアの向こうから伊織が走ってくる。
こちらに向かって何かを叫びながら。雨の音が聞こえる――

「えっ……伊織が……?」コンビニの中に駆け込んできた、「もう一人の」伊織に向かって、
先程からコンビニで酒を物色していた伊織が叫んだ。
「完成してたのっ!マークⅡがっ!」
「あら、ご挨拶ね。たかが試作品の分際で先輩面する気?」
「あんたの“いる”世界は“ここ”じゃないでしょう!春香に変なことする前に、さっさと帰りなさい!」
そういうと伊織は、まだ会計を済ませていない酒瓶の封を切り、丸い金属製の「球」にその口元を差し入れる。
瓶を逆さまに立てると、「球」はあっという間に酒瓶の酒を「飲み干し」たのだ。
そして、春香は見た――伊織のおでこになにやらメーターが浮き出て、それが満タンになっていくのを。
「小さくまとまった後継機のあなたなら、この絶望的な状況、分かるわよね?」
「なんてことを……!」
春香が先にコンビニで出会った"伊織"――正式な言い方を求めるならば、本来この"世界"に最初からいた
"伊織"――は、実は伊織ではなかった。"伊織"は自らの存在をより完璧にせしむる個体に進化した自分を残し、
元の「残骸」を並行空間へと転写していたはずだった。
現状が認識できない春香は、思考の防衛本能が働いたのか……近くにあったウォッカの瓶を手に取り一気に
飲み干した。

春香はその頬を、フグのようにパツンパツンに膨らませたまま、ザッと視線を走らせ、見つけたライターに手を
伸ばす。

「あっ……!」
"伊織"は春香の行動を素早く視線の端に捉え、叫ぶ。
「火よ! 水を沸き立たせ蒸発させる火よ!春香っ、全力であのデコスケに向かって火を吹くのよっ!!」
「うんっ」っと言おうとした春香は、そのはずみで含んでいた酒を一気に飲み干してしまった。
「い、いけない! このままじゃこの“ディメンション・ボム”が――!」
二人の伊織の動揺を察知した金属球が突如として輝き、コンビニに強烈な閃光が奔った。
光が消え、安定した視界が得られたことを知った春香が、周囲を見渡すと、先程までのコンビニも、
そしてもう一つの伊織も消えてなくなっている。そして驚くべきことに――雨が、止んでいた。
そして、その晴れ渡った空に向かって春香の体がふわふわと浮かんでいく。
(あ、あれ? 私、浮いてる? え? 下に見えるのは――、私ッ!?)
「ようこそ“こちら側の世界”へ。――晴れた空を見るのは、久しぶり?」
鷹揚な笑顔で佇む伊織は、確かに春香の知る伊織であり、それと同時に一つ得心できることが分かった。
今まで降り続いた「大雨」のメカニズムとは、「旧い」世界が溶け、「新しい」世界へとその定義を切り替える
ための、一種の位相変換だったのだ。
新しい世界に向かう春香の手には、一本の酒瓶と……コンビニが消え去る前に必死になって手に取った
雑誌があった。

「無理やり作る『個性』なんて、必要ないよね。だって、私達は毎日、新しい自分に生まれ変わってるん
だもの」

そう言うと春香は、大きく振りかぶり、まぶしい青空に向かって雑誌を放り投げた。
それは春香自身の「旧世界」の軛から放たれた瞬間でもあり、世界は新しい座標系を作り直す。そして
そこには、いつも通り春香もいて、伊織もいて、765プロのみんなもいる。毎日は新しい、そして明日と
言う日がより輝くために、世界はいつも雨を求め、雨によって変貌を繰り返していたのだ。
そして、晴れとはすなわち……輝くアイドルという太陽がある空……そういうことである。
『雨の日はいつも――』(完)




【まとめ】

・安心のガルシアさんブランド
・困ったら即パスの寓話
・微熱体温さんが途中から超高熱化
・トリスケさんの振りがとんでもなく強烈

 またやりましょうね!!!
19:00  |  リレーSS  |  TB(0)  |  CM(8)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

いや、これはアレですよ

「おい微熱、ちょっとお前ジャンプしてみろよ」
「えっ……いや、ボク今日SFは持ってないですよ……」
「いいからジャンプしろっつってんだろ」
……ってな話ですよ!(何

何はともあれ、昨晩はお疲れ様でしたー。
ボクは今回は、トリスケ師匠に尽きると思ってますw
微熱体温 | 2010年04月22日(木) 19:16 | URL | コメント編集

一部の方の独り言見てたので猛烈に読みたかったのです。
これはひどァヮヮ素晴らしいジャムセッション。

ガルシアP:満を持してハンドルを握り、運転スタート
寓話P:道路状況を予測しながらナビゲーション
微熱体温P:レギュラーガソリンがいつの間にかニトロ混入
トリスケリオンP:アクセルに足を乗せおもむろに全体重をかける

楽しいドライブだったご様子ですねw
堪能しましたwww
レシ | 2010年04月22日(木) 19:40 | URL | コメント編集

レシさん的確!

ドライブって聞いて助手席に乗ったら、
いつの間にかチキンレースでした。
断崖絶壁が見えました。
運転手、笑顔でアクセル踏み抜いてます。

試しにやってみて、色々とルール化できたので、
次回はもう少しまとまりますよね。キレイに!

色々なネタで色々な人とやってみたいです。
得るもの、学ぶもの、大きいです。
あとストレスw
ガルシアP | 2010年04月22日(木) 20:06 | URL | コメント編集

昨日のルールは

怒馳暴流(ドッジボール)だと思ってたので
全力でボールを投げていたんですけど
何か実はキャッチボールだったみたいですねぇ
失敬失敬 次はハンドボールに挑戦したいなと……


というか俺の責任ばかりじゃないよ、きっと(ぉぃ
トリスケリオン | 2010年04月22日(木) 20:17 | URL | コメント編集

>微熱体温さん

微熱節の無茶ぶりすいませんでした。微熱さんの前なのを良いことに、
どんどんボールを回してしまいました。いやあ頼もしかったw

「どうしてこうなった…」→「あ、あれっ…なんか綺麗にまとまってきた?」の
後半の展開は、いろんな意味でもメイクミラクルでしたねw
ネタ回しといいフラグ回収といい、非常に勉強になりました。
微熱節(SF分)の有無に関わらず、また同席できましたらと思います。
お疲れさまでしたーノシ
寓話 | 2010年04月23日(金) 00:19 | URL | コメント編集

>レシさん

車に乗ったつもりが、実はガンダムに乗りこんでたくらいの超展開でした。
ついったーでのリアルタイムつぶやきが全てです。綺麗にまとまって良かった…

SS後の反省会(ポジショントーク)では、
起→ガルシアさん 承→寓話 転→トリスケリオンさん 結→微熱体温さん
と、挙げたんですが、レシPの喩えがあんまり上手で笑ってしまいましたw
本人必死でしたが、楽しんでいただけましたら幸いです。
(でも次はもうちょっと安全なドライブに出かけたいなw)
寓話 | 2010年04月23日(金) 00:45 | URL | コメント編集

>ガルシアPさん

大変お疲れさまでしたw昨晩はありがとうございました。
ガルシアさんから回ってくるボール(文章)は優しかったので、
非常に蹴りやすかったです。複数人で文章を組み立てるにあたって、
パス回し(文章捌き)のスキルをもっと高めたいなと思った所存です。

反省会で挙がった改善点などをルールに取り入れたら、
次は今回よりも、滑らかなタッチでゲームを楽しめそうですね。
ちょっとした息抜きのキャッチボールに良いかもしれません。
またの機会を楽しみにしております。お疲れさまでしたー。
寓話 | 2010年04月23日(金) 01:07 | URL | コメント編集

>トリスケリオンさん

ドッヂボールお疲れさまでしたw
トリスケリオンさんの小ネタ&キラーパスは面白かったです。

最終的にはなんか良い話になりましたね。(あれー??)
皆で暴走した結果、それっぽいゴールに到着できて良かったです。
とても楽しかったです。是非また皆でリレーしましょう。

(自分も次回はトリスケリオンさんみたいな無茶振りするんだ……!)
寓話 | 2010年04月23日(金) 01:35 | URL | コメント編集

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://allegoryfactory.blog34.fc2.com/tb.php/85-b9875f91
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。